投稿

6月, 2017の投稿を表示しています

54年にわたる環境保全の道のり

イメージ
エディターズノート:ピーター・セリグマンは国際的な環境保全活動におけるレジェンドです。コンサベーション・インターナショナル(CI)の共同創設者、理事長兼CEOであったセリグマンは、CIを一つの想いから、世界で最も活動的な環境NGOのひとつへと成長させました。CIは30年以上77か国にわたって、地球で最も危機に瀕している6億ヘクタール(およそ600万㎢)以上もの陸や海の保全をサポートしてきました。これらの保護域は、宇宙からも見えるくらいの規模であり、インドネシア、メキシコ、そしてコンゴ民主共和国を合わせた大きさに匹敵します。セリグマンは今週、この取り組みをさらにけん引する新しいリーダーシップを発表しました。この記事では、彼が自身の歩んできた道のりを振り返り、すべての人々の幸せのための自然保護に関する新しい展望についてご紹介します。 


ーーーーーーーーーー

 私の保全の道のり、そして政府機関の外で自分の力を発揮してみたいという強い思いは1963年に始まりました。その年の7月、私はワイオミングの農場で働いていました。私の仕事は、水を牧草地に引くことであり、濡れて泥だらけになって、水が水路を行き渡るのを待つというものでした。私は鳥や昆虫を観察し、風の音に耳を傾け、高草の優しさを知るようになったのです。私はその時、自分が自然に夢中になっていることに気づきました。

 同年11月、ジョン・F・ケネディが暗殺されたとき、私は周りの人々と同じように大きな気づきに直面しました。それは、ロバート・F・ケネディ、マルコムX、そしてキング牧師らの連続暗殺の始まりだったのです。私は父が泣いているのをはじめて見て、自分たちの国が完璧な民主主義だとしている教科書の記述はまやかしであり、私たちの生活は憎しみや利己心の上に立っているということに気づいたのです。

 1987年1月28日のCIの始まりは、計画的なものではありませんでした。私たちは何か新しいものを創り上げたい、と思っていたわけではありませんでしたが、どのように世界を持続可能なものにするか、当時の社会とは根本的に異なった考えを持っていたのです。私たちは、人々と自然が共生する広大なスケールの自然生態系に焦点を当てました。私たちは、国やコミュニティの運命のカギを握るのは外部ではなく、そこにいる住民であると信じていました。環境保全は、特に優れた科学を必…

生物多様性ホットスポットでは、言語の多様性も保たれているという事実

イメージ
※本ブログは、CI本部の下記記事をCIジャパンが和訳したものです。
”Language Diversity is Highest in Biodiversity Hotspots” by DR. RUSSELL A. MITTERMEIER

ラッセル・A・ミッターマイヤ―博士

世界を旅して何十年になりますが、地球に暮らす人々の中で驚くほど魅力的な人間の文化に直接触れる機会に恵まれてきました。ブラジル・アマゾンのカヤポ族と呼ばれる人々から、カラハリ砂漠のサン族、そしておびただしい数のメラネシアの多文化に至るまで、それは、実にさまざまなものでした。
先住民族を含んだこれら多様な文化に生きる多くの人々は、じつはもっとも生物学的に豊かな地域に暮らしています。そしてこのような地域はグローバルな生物多様性を維持していく上でカギとなる地域でもあります。たとえば澄んだ水、花粉媒介者や空気など、生態系の機能を循環させるこれらのカギは、地球に暮らす70億人を超す我々人間にとって必要不可欠なものです。
ご存知のとおり世界のグローバル化は進行中で、これらの伝統的な先住民族コミュニティーの多くは忘れ去られているか、もしくは、彼らが本来守ってきた生態系サービスからもたらされる恩恵の平等な分配からしめ出されているように見えます。さらにひどいことには、これらのカギとなる生態系サービスや彼らの居住地は絶えず経済開発の圧力下にあり、素晴らしい文化遺産はかつてないほど消滅の危機にさらされているのです。

私たち科学者は、生物多様性と人間の文化的多様性は強い相関関係がある、と常々考えてきましたが、実際にどのくらい密にそれぞれが関係しているのか、きちんと立証できる方法で定量化されたことはありませんでした。このような状況を是正するため、わたしと仲間たちは、「Proceeding of the National Academy of Science」という科学論文誌に、生物多様性と人間の言語の多様性には強固で根源的な相関がある、という内容の論文を発表しました。

どの言語が人間の文化的多様性を表す例として適しているか、という議論がありますが、それを可能とする指標を探すことは困難です。言語は、特定の文化に由来しており、他の集団と区別するために使われますが、それはまた、それぞれのグループの世界観を反映しており、それぞれの…