2013年1月28日月曜日

【CIインターンレポート】生物多様性オフセットとは?シンポジウムに参加して。その2



インターンの藤田です。

その1に引き続き、早速本題であるシンポジウムに参加して、のレポートを書きたいと思います。

前回あまりにも長くなりすぎたので、感想も交えつつ講演をピックアップしてお伝えしたいと思います。

講演その1:BBOPBusiness and Biodiversity Offsets Program)の方向性と今後の課題
 
 まずはじめにBBOP(びーぼっぷ)の、Ms. Kerry ten KateDirector of BBPOForest Trend)からビデオ講演がありました。
講演では、主にBBOPの概要、そして生物多様性オフセットの概要について語られました。
生物多様性オフセットとは何か、そしてBBOPとは何かということです。
BBOPBusiness and Biodiversity Offset Program)は訳するとそのままビジネスと生物多様性オフセットプログラムとなります。講演概要によると「生物多様性オフセットに関する用語の統一や知見の増加、ベストプラクティスの共有などを行う」ということです。


講演その2:BBOPスタンダードの特徴とその背景

つぎに、株式会社レスポンスアビリティ 代表取締役 足立 直樹氏(BBOPアドバイザリーグループメンバー)から講演でした。
Ms. Kerry ten Kateの講演を受けて、日本語でより詳細にわかりやすく解説されました。
例えば、オフセットは最終手段であること、オフセットできないものも存在し、経済的合理性のあることなどです。なかでも、特に印象的であったのが、BBOPスタンダードの条件を満たさない例です。

ちなみに、その条件を満たさない例というのは

   ノーネットロスを達成するように保全措置が計画されていない
   事業によって生じる残存影響とオフセットによって達成可能なゲインが定量評価されていない
   長期的に保全措置を実施するための仕組みが確立されていない
   影響をオフセットすることができない(影響そのものが重大すぎるか影響を受ける前の状態がは把握できていないため、事業によって何が失われ、どうオフセットできたか分からない)
   教育訓練、キャパシティビルディング、研究などへの金銭的支払いのように、現場における保全成果以外の形式でミティゲーションが行われている。
私の感想ですが、やはりスタンダードに一致しない場合、つまりできない場合を知ることがそれをよく知ることに繋がるのではないかと思います。
そして生物多様性オフセットの今後の課題として
   制度のない日本でどう活用するか?
   IFCPS6などで、日本企業もオフセットの必要性が増す
   世界的にオフセットが制度化される時代が来るのではないか
という上記の3点を挙げられました。
生物多様性オフセットは非常に有効な手段ではありますが、世界と比べて日本は大規模開発はそうそうあるものではありません。それ故に生物多様性オフセットの必要性を問われるにはまだまだ時間がかかるのではないでしょうか。足立氏が挙げられたように制度のない日本でどう活用し、取り入れられるか、そういった議論がより進むことがまず重要ではないかと感じました。

講演その3:生物多様性オフセット実証実験中間報告

さて、つぎは、いであ株式会社 研究員 幸福 智氏の報告です。(とてもステキな苗字ですよね)
研究の目的として
●日本の生物多様性の特徴などを捉え、それを客観的に評価し、「日本に生物多様性オフセットを導入するうえで必要となる技術の現状と解決すべき技術課題」を明らかにすること、だそうです。
 生物多様性オフセットの議論を進める上で、よりテクニカルな意味での課題を取り上げるための研究をされているそうです。
 幸福氏のご発表は東北大学青葉山キャンパスの拡張事例を選定し、実際に生物多様性オフセットを導入するための手法などのご発表でした。エコリージョン内でのオフセットで、Like for Like2つの環境が同等)の考え方、その区分方法、具体的には相観(土地利用的な違いで分類したもの)、群集・群落(環境省「自然環境保全基礎調査」における統一凡例などによる分類)、階層構造(群落ナイの階層構造の有無など、そこに生息生育する動植物にとってその利用形態を規定する一要素となりうるもの)などです。
何から何ならオフセットできるのか、対応表の作成の必用など、より技術的で実践的な発表をなさいました。また、ネットゲイン、ロスの計算、測定、検討などです。
確たる制度が無い日本において手探り状態で経済界が動くのは難しいところがあると思います。こういった実証研究の必要性は生物多様性オフセットにおいてはとくに重要であると思いました。


今回のシンポジウムに参加して

 生物多様性オフセットの国際シンポジウムに参加して、その1を書き終わるまで正直生物多様性オフセットがよくわかりませんでした。ムツカシイ。
というのも、そもそもネットゲインって何なん?オフセットなのに生物多様性が回復?え?え?っという状態でした。しつこく何度か生態系マネージャーN氏に同じことを伺いつつ(申し訳ありません!)、やっとすこし理解できた程です。そしてその2を書きながらやっとシンポジウムで何が話し合われていたか理解したのでした...

単に私がおばかということもあるのですが、けれど生物多様性オフセットの考え方はちょっと煩雑な気がします。たくさん横文字の用語がでてくるからでしょうか。生物多様性オフセットはアメリカの湿地保全ではじまった制度だそうですが、パネルディスカッションで話し合われた通り、日本で実施されるのは時間がかかりそうです。 
しかし、こういった取り組みが進んだ日本というのは世界で一体どういった役割を担うのでしょうか。色々考えるところはありますが、とりあえず、やってみる。これは非常に大事だなと思います。

その2終わり。