2013年5月4日土曜日

スターバックスが初めての自社農園を購入

※本記事はThe Wall Street Journalで3月18日にUPされた「Starbucks Buys Its First Coffee Farm」を日本用に編集したものです。原文はこちら

スターバックス社は、自社で所有するものとしては初めてとなる農園を、コスタリカで購入しました。同社は600エーカーの敷地内で、新たなコーヒー豆の品種開発と、現在コーヒー業界を悩ませている、コーヒーさび病として知られる真菌病を根絶する手法を試験する予定です。

スターバックス社は、今年の315日に農園購入を締結しました。その理由の一つは、異なる標高において、何がコーヒーを強く成長させるか知るため、様々な栽培方法をこの農園でテストすることができるからです。この農園は、標高3,6005,000フィート(約1,1001,500m)に位置しています。

「この農園でなければできないような革新的な取り組みを検討しています」とスターバックス社のハワード・シュワルツCEOは語り、今回だけでなく他の研究用農園の追加購入を考えていることも示唆しました。スターバックス社は今回の購入額を開示しませんでしたが、一般的にコスタリカで同程度の農園は、510億ドルすると見積もられます。

スターバックス社はこの新たな農園において、遺伝子組換を用いない品種交配手法を用いて、コーヒー豆の独自品種と新たな栽培栽培手法の開発を行います。これは同社にとって、農学者と現地農家が共同で生産高を増やす研究を行うための、世界で5つ目の研究センターとなります。

今回の農園購入は、スターバックス社が大部分のコーヒー豆を購入するラテンアメリカ地域において、さび病が深刻になりつつある中で行われました。この菌の影響によって、この地域の来年度のコーヒー生産高は大幅に下がると予想されており、グアテマラの大統領は先月、国家非常事態宣言を出しました。

スターバックス社のクレイグ・ラッセル上級副社長は、今年と来シーズンの供給分に関しては、さび病の影響を受けていないコーヒー豆を既にこの地域の農家から確保していると述べました。さらに同副社長は、「これは転換期であり、現在開発中であるさび病に耐性を持つ新種のコーヒーの木を活用するための様々な手段を、この農園において試すことになるでしょう」と語りました。スターバックスは、この研究で得た成果を、同社の購入先ではない農家にも共有すると述べています。

さび病はコーヒーの木の葉を攻撃し、栄養素を吸い取ることで枯れ落ちさせます。この菌は19世紀に、スリランカ、インド、スマトラ、ジャワのコーヒー生産に大打撃を与えましたが、ラテンアメリカの農家にとっては最近までは厄介な問題ではなく、ミシガン大学のジョン・ヴァンデルメール環境学教授によれば、科学者たちもなぜさび病がラテンアメリカではこれまで猛威を振るってこなかったのかわかっていないそうです。スターバックス社のラッセル氏は、今季のラテンアメリカ地域における平常より乾燥した気候に一部原因があるだろうと語ります。

スターバックス社は長年、農学者と世界中の農家との共同研究を通じて、気候変動の真っ只中でも生存することができるコーヒー豆の品種開発に取り組んできました。そしてこれは、同社の研究者がこのテーマについてさらに掘り下げていく助けにもなっています。

「スターバックスが行なっているのは、気候変動がコーヒー豆の生産や病気にどのような影響を与えるかを理解するための革新的なアプローチです」と、コンサベーション・インターナショナル(CI)のCEO、ピーター・セリグマンは語ります。CIは、スターバックス社が社会的・環境的・経済的に責任のあるコーヒー栽培を行うためのガイドライン「C.A.F.E. プラクティス」のベースとなる「コンサベーション・コーヒー・ベスト・プラクティス(CCBP)」を開発した国際環境NGOです。


【CIとスターバックス社の関係について】
CIは、1996年より生物多様性ホットスポットにおいて、コーヒー生産に着目した保全戦略に取り組み始めました。この取り組みの中で、CIはスターバックス社と提携し、コーヒーを通じた環境保全活動を行っています。詳しくは、以下のウェブページをご覧下さい。

CIのコーヒー・プログラム




(翻訳ボランティア:富永 文彦)