【国連気候変動会合】2014年ボン会合開幕!

 副代表 兼 気候変動プログラムディレクターのYです。毎年この時期にボンで開かれる、UNFCCC会合に参加しています。本会合は、毎年11月末~12月初旬に開催される国連気候変動枠組み条約(UNFCCC )COPに向け、気候変動を科学的、また対策の実施的側面から平行して協議をしていく、貴重な会議です。今年はペルーの首都リマで開催されるCOP20に向け、今回も多くの国々が参加し、多くのアジェンダを少しでも前に進めるべく、毎晩遅くまで会議が続いています。

 気候変動枠組み条約では、2015年冬にパリで開催されるCOP21において、全世界が参加する新たな気候変動対策の枠組みに合意しなければなりません。そうです、あと、もう、一年半しかないのです!今年は春にIPCC5次評価報告書を最終化するための会議が横浜でも開催されました。IPCC4次評価報告書の時と比べ、さらに進んだ気候変動に対峙するためには、人間の叡智を結集しより一層の努力をしなければ、地球がますます温暖化にさらされることが明らかになりました。

 例年ボン会合に参加していますが、今年はCOP20の開催国であるペルーの展示がひときわ目を引きます。ペルーの環境大臣も閣僚級会合に参加し、ペルーでのCOP20での成功に向けた決意を表明しました。日本からは、北川環境副大臣が参加。CIジャパンを含む日本で気候変動に関わるNGOのネットワークは、副大臣に「日本の2030年目標の設定をなるべく早急に、より開かれたプロセスで開始して頂く」ために、要望書を手渡しました。
【ペルー政府によるCOP20の展示ブース】
 今回の会議から、いよいよ2015年合意に向け、ダーバンプラットフォーム (ADP)の本格的な協議が進むすことが期待されています。今までADPは各国が腹の探りあいという感じで、大変スローペースで協議を進行してきました。このボン会合からスピードアップしないと、来年のパリでの合意がより難しい交渉になります。現地時間の土曜日から開始されるADPの会合に、注目が集まっています。

 CIが多くの途上国ですでに気候変動イニシアチブとして実施する「森林保全」や「適応策」の交渉も、様々なテーマで同時並行に交渉が進んでいます。森林減少は、地球上の温室効果ガス排出量の、約11%にものぼります。農業セクターなど、より幅広い「土地利用セクター」からの排出は、約25%にのぼります。人口が増加し続ける地球において、賢く土地を利用し、食糧問題にも対応しながら、世界各国が手を取り合って気候変動に立ち向かっていくのかは、人類の将来に向けて大変重要な課題です。る

国連会議でのCIの役割は、現場での知見を活かしながら、政策に反映するべことです。そのために、途上国政府、日本政府、先進国政府、NGOの仲間たちの間を飛び回っている間に、会議期間があっという間に終わります。現地からの様子を、折を見てお伝えしていきますので、お楽しみに!

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