Satoyamaイニシアティブ国際パートナーシップ ヨーロッパ地域ワークショップ

ヨーロッパでは初のIPSIの会合、
歴史の街フィレンツェで開催
生態系政策マネージャーのNです。久しぶりの投稿です。

Satoyamaイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)のヨーロッパ地域ワークショップが、527日から29日にイタリア・フィレンツェで開催されました。テーマは「トラベルとダイアログ、人と生物多様性のために」(筆者訳)でした。

プレナリーで基調講演、事例紹介があり、その後、3つの小グループに分かれてディスカッションをし、議論の結果を再度プレナリーで発表し合う、という構成。私は、CBD事務局の吉中さんとともに、ひとつのグループのファシリテーションをしました。ヨーロッパでは、狭義の自然保護とSatoyama的環境の維持・保全が衝突している現実(再自然化の是非)、「生物多様性」の解釈の多様性(そこから発生する問題)、補助金は出し方次第で問題解決にも問題拡大にもなりえること、など、面白い議論が展開されました。日本の農業への鳥獣害問題とも似たところもあるなと感じました。

(おまけ)泊まったホテルのロビーには、
古い井戸が。11世紀に作られたものだとか
そんな中でツーリズムの役割ですが、体験を通じて訪問者の内面や意識の変革をもたらすことで、都市vs田舎に存在する壁(上に書いたような課題)を乗り越えることにつながる、直売所などで農村経済の活性化をもたらせる、コンサベーション・ホリデーのような仕組みで交流が生まれる、などなど。その場その場で適した形は違うのはもちろんですが、いろんな例を知ることで、思考の幅を広げていくことが大事だと感じました。

参加者との議論の中で痛感したのは、IPSIのようなフォーラムでの議論や、学術的研究が生み出す知識が、現場に戻って役に立つ情報になかなかなっていない現実です。世界中、どこでもそうだと思います。IPSIの別のワークショップでも、別の形で浮上してきました。効果的なアウトリーチというか、エクステンションをどう進めるか。ただ集めるだけ、ただ流すだけではだめなんですよね。。。

ワークショップ風景
現在、簡単な開催報告がSatoyamaイニシアティブHPにアップされています。まもなく、より詳しい報告がアップされる予定です。

エクスカージョンで訪れたワイン農場。農園の2倍の森林が残されているとのこと

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