CEPFセミナーのレポート
(追記あり)
前回のポストでお知らせしていた、「クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)~生物多様性保全の現場から、持続可能な開発目標(SDGs)の実施への貢献~セミナー」のご報告です。
11月20日(金)、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)において、CEPF事務局長であるオリビエ・ラングラン氏による、セミナーが開催されました。
CEPFの概要、役割、活動地域、日本とのかかわり、過去15年間の成果、愛知ターゲットへの貢献、具体的な事例紹介などを、わかりやすく解説していただきました。当日使用されたプレゼンテーション資料は、こちらのページからダウンロードしていただけます。
http://www.conservation.org/global/japan/Pages/CEPFseminar_Nov2015.aspx
(追記)また、セミナーの最後に、チュニジアで作成された動画の紹介もありました。こちらから、ぜひご覧ください。
http://www.cepf.net/jp/news/top_stories/Pages/Video.aspx#.V3NdzvmLTIV
プレゼンテーション後の質疑応答は以下の通りです。
Q1:CEPFがサポートするプロジェクトはどのように選考されるのですか。
A1:まず、エコシステムプロファイルを作成します。これは戦略的なドキュメントで、特定のホットスポットでの現在の状況を分析する内容となっており、どういった方向性に進んでいくか、ということが含まれています。
エコシステムプロファイルが完成したら、関心表明書(call for proposal)を出していただくよう募集をかけます。特定の戦略の方向性に合っているプロジェクトを考えている団体が応募してくるので、専門家で形成するグループが、エコシステムプロファイルに一番合致しているプロジェクトを選出します。
選考プロセスには非常に透明性があります。世界銀行のルールに準拠しており、最も実現性、成功性の高いものを選択します。すべてのエコシステムプロファイルはWEB上で公開されているので、誰でも見ることができます。
Q2:プロジェクトが終わった後、どのような関係性を継続していますか。
A2:CEPFはいくつかの異なった形でのサポートをしています。テクニカルサポート、ファイナンシャルサポート、アドミニストレイティブサポートなどです。多くのNGOの場合、高い技術力を持っていても、財政面や行政面では弱いということがあります。CEPFでは、そのようなNGOが財政面や行政面を強化できるよう、多角的にサポートしています。
3年前にCEPFの助成金を受けていた団体がハイチにあります。その団体は財政面のスタンダードが高くなったので、現在はUNDPやUSAIDなどに、双方向のアプローチができるようになりました。CEPFはサポートの後、その団体が他の機関にリーチアウトできるように触媒の役割を果たしていると言えます。
Q3:成果のモニタリングはどのようにしていますか。
A3:エコシステムプロファイルに、期待される結果、が示されているので、それに基づいて成果の判断をすることが、ひとつの基準となっています。
Q4:生物多様性と経済的な持続可能性について、具体例を教えてください。
A4:生物多様性の持続可能性については、天然資源を長期に渡って使用できるように支援する、ということ。天然資源が短期間で枯渇するようなプロジェクトは支援しないということです。
例えば、カンボジアの漁業では、地域コミュニティーと基準を設定しました。過剰に捕り過ぎないように、網目の細かさや粗さを変えたり、漁をする場所を変えたり、盗まれないように管理したりしました。
経済的な持続可能性については、私(ラングラン氏)が以前住んでいた、南アフリカのワインを例にしましょう。世界ではワインブームが起きていて、ワインの需要は増えていますから、ワイナリーを作ったり、ぶどう農園を作ることがあります。ワインメーカーに自然破壊をしてワイナリーを拡大することはしないと同意してもらい、特別なラベルを作成してそれを貼って販売できるようにしました。価格は高くなりますが、環境保護をサポートしながらワインを楽しめるという、Win-Winの関係性ができます。
Q5:民間セクターからの出資は過去にもありましたか。また、今後はどのように展開していきたいですか。
A5:すでに民間セクターとの協同は行っており、特定の製品をターゲットにすることがあります。コーヒー、カカオ、中国のお茶、やカリブ海地域における水の供給をコカコーラと行っています。インドでも非常に成功している例があります。カーギル財団からは、ミャンマーでのプロジェクトに多額の助成がされています。
前回のポストでお知らせしていた、「クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)~生物多様性保全の現場から、持続可能な開発目標(SDGs)の実施への貢献~セミナー」のご報告です。
11月20日(金)、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)において、CEPF事務局長であるオリビエ・ラングラン氏による、セミナーが開催されました。
CEPFの概要、役割、活動地域、日本とのかかわり、過去15年間の成果、愛知ターゲットへの貢献、具体的な事例紹介などを、わかりやすく解説していただきました。当日使用されたプレゼンテーション資料は、こちらのページからダウンロードしていただけます。
http://www.conservation.org/global/japan/Pages/CEPFseminar_Nov2015.aspx
(追記)また、セミナーの最後に、チュニジアで作成された動画の紹介もありました。こちらから、ぜひご覧ください。
http://www.cepf.net/jp/news/top_stories/Pages/Video.aspx#.V3NdzvmLTIV
プレゼンテーション後の質疑応答は以下の通りです。
Q1:CEPFがサポートするプロジェクトはどのように選考されるのですか。
A1:まず、エコシステムプロファイルを作成します。これは戦略的なドキュメントで、特定のホットスポットでの現在の状況を分析する内容となっており、どういった方向性に進んでいくか、ということが含まれています。
エコシステムプロファイルが完成したら、関心表明書(call for proposal)を出していただくよう募集をかけます。特定の戦略の方向性に合っているプロジェクトを考えている団体が応募してくるので、専門家で形成するグループが、エコシステムプロファイルに一番合致しているプロジェクトを選出します。
選考プロセスには非常に透明性があります。世界銀行のルールに準拠しており、最も実現性、成功性の高いものを選択します。すべてのエコシステムプロファイルはWEB上で公開されているので、誰でも見ることができます。
Q2:プロジェクトが終わった後、どのような関係性を継続していますか。
A2:CEPFはいくつかの異なった形でのサポートをしています。テクニカルサポート、ファイナンシャルサポート、アドミニストレイティブサポートなどです。多くのNGOの場合、高い技術力を持っていても、財政面や行政面では弱いということがあります。CEPFでは、そのようなNGOが財政面や行政面を強化できるよう、多角的にサポートしています。
3年前にCEPFの助成金を受けていた団体がハイチにあります。その団体は財政面のスタンダードが高くなったので、現在はUNDPやUSAIDなどに、双方向のアプローチができるようになりました。CEPFはサポートの後、その団体が他の機関にリーチアウトできるように触媒の役割を果たしていると言えます。
Q3:成果のモニタリングはどのようにしていますか。
A3:エコシステムプロファイルに、期待される結果、が示されているので、それに基づいて成果の判断をすることが、ひとつの基準となっています。
Q4:生物多様性と経済的な持続可能性について、具体例を教えてください。
A4:生物多様性の持続可能性については、天然資源を長期に渡って使用できるように支援する、ということ。天然資源が短期間で枯渇するようなプロジェクトは支援しないということです。
例えば、カンボジアの漁業では、地域コミュニティーと基準を設定しました。過剰に捕り過ぎないように、網目の細かさや粗さを変えたり、漁をする場所を変えたり、盗まれないように管理したりしました。
経済的な持続可能性については、私(ラングラン氏)が以前住んでいた、南アフリカのワインを例にしましょう。世界ではワインブームが起きていて、ワインの需要は増えていますから、ワイナリーを作ったり、ぶどう農園を作ることがあります。ワインメーカーに自然破壊をしてワイナリーを拡大することはしないと同意してもらい、特別なラベルを作成してそれを貼って販売できるようにしました。価格は高くなりますが、環境保護をサポートしながらワインを楽しめるという、Win-Winの関係性ができます。
Q5:民間セクターからの出資は過去にもありましたか。また、今後はどのように展開していきたいですか。
A5:すでに民間セクターとの協同は行っており、特定の製品をターゲットにすることがあります。コーヒー、カカオ、中国のお茶、やカリブ海地域における水の供給をコカコーラと行っています。インドでも非常に成功している例があります。カーギル財団からは、ミャンマーでのプロジェクトに多額の助成がされています。
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