2016年1月17日日曜日

SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ総会(IPSI-6)に参加して

生態系政策マネージャーのYNです。

1000年前の寺院、400年前から水がなかった
人工の「池」に5年前から調査を行い、3年前から水を戻す
事業を実施中
1月12日から14日にかけて、カンボジア・シェムリアップで、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)の第6回総会とパブリック・フォーラム(IPSI-6)が開催されました。アンコールワットの町として観光が主要産業のシェムリアップが、SATOYAMAどう関係するのか?疑問に思う人も多いことでしょう。私も深い関係があるとは考えていなかったのですが、初日のプレゼンから、上流の森林から寺院を支える基礎から下流のトンレサップ生物圏保護地域まで、実は非常に深い関係があることを知りました。まず、アンコールワットは非常に重い砂岩を積み上げた寺院ですが、基礎は砂地です。この不安定な基礎を強固なものにしているのが水。寺院の周りに巡らせた堀から水がしみこみ、基礎が固められているということ。寺院だけでなく、周りの木々も、その水で潤い、成長することができるのだそうです(14日のエクスカージョンでは、400年間水がなかった堀に水を再生する取り組みがなされている寺院も訪れました)。堀を巡らすことで文化も自然も栄える。古人の知恵ですね。アンコールワットは、3つの川の流域にまたがるということで、実は水に支えられた寺院なんですね。そうすると、上流の森林が重要であることはすぐにお分かりでしょう。また、その水はトンレサップ湖に流れ込み、生物の宝庫を形成するので、上流から下流まで、きれいに繋がっているのです。
美観のためだけではないアンコールワット周辺の水

そのような地で開催された今回のIPSI-6。カンボジア環境省の長官の挨拶で始まりました。一番の課題はIPSIの行動計画(Plan of Action)の中間評価です。行動計画の4つの戦略目的ごろにグループに分かれ、事例発表と議論がなされました。4つの戦略目的とは、①里山的環境(IPSIでは、SEPLS=Socio-Ecological Production Landscape and Seascapesと呼んでいます)についての知識を高める、②SEPLSが直面する危機の原因に対処する、③SEPLSからの便益を高める、④必要な資金的、人的、組織的リソースを強化する、です。私は、2011年のIPSI-2で一緒にセッションを担当してからの友人であるインドの研究者と一緒に④の課題のグループのファシリテーターをしました。リソースの課題は、資金とキャパビルの話が中心になり、決定打がないのですが、それでもIPSI会員ネットワークの中で様々な取り組みがなされていること、進展のために何が必要か、といった熱い議論ができました。持続可能な社会を目指す今後のIPSIの活動の進展につなげていきたいと考えています。

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