現役大学院生がきく”CIジャパンスタッフの「世界を舞台に働く」”とは 第3回目 浦口 あや vol3
こんにちは。CIインターンの菊池です
「世の中、すごく絶望的な感じかもしれないじゃないですか」
vol3もvol1、vol2に引き続き、CI政策パートナーシップシニアマネージャーの“浦口
あや”さんのインタビューです!
浦口さんのインタビューは今回で最終回です!今回は、浦口さんに未来のことについて伺ってみました!
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浦口あや Aya Uraguchi, PhD
コンサベーション・インターナショナル ジャパン
専門は森林生態学(博士/北海道大学)。三菱総研にて、国内外の炭素クレジットを活用した森林プロジェクト形成の支援、森林モニタリング技術に関する研究などに携わる。2010年より現職にて、森林プロジェクト、気候変動分野を担当する。
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*CIジャパンの今後の課題について
菊池:CIは気象変動や生物多様性の保全など、地球規模の未来に関わる問題に取り組んでいますよね。そんな、CIジャパンにとっての今後の課題とはどのようなことですか?
浦口:CIジャパンはもっといろいろな人と一緒に何かをやっていきたいと考えているので、もっとパートナーを増やしていくことがとても大切だと思います。
「環境って、人によっていろいろなとらえ方があると思うんですよね。」
CIジャパン自体はそんなに大きくないので、私たちだけではできることは少ないけれど、
環境や自然って本当はとてもいろいろなところとつながっているので、そのつながりを考えると私たちのパートナーシップはまだまだ足りないし、日本には一緒に何かをやれたらきっと面白いパートナーがもっとたくさんいるので、その部分をもっと広げていきたいなと思っています。
菊池:パートナーというのはCI側から声をかけに行くこともあるのですか?
浦口:これまでのところ、あまり多くないですね。
というのも、特に私の担当する仕事は、今のところ社会貢献・CSRの一環でのパートナーシップが多いので。コンサルティング会社が引き合わせてくれたこともあります。
菊池:パートナーを増やすという目的のためには、今何をすべきだと考えていますか?
浦口:“いろんな人に会うこと”
例えば、金融関係の会社とこういうことがしたいというアイディアがあれば、じゃあ個々の会社の人に会いに行こうというのも必要だと思います。
でも、もうひとつ前の段階で、“どこと何をすればどんな面白いことがあるか”って実は自分たちだけで考えてもわからなかったりするんですよね。私たちが知っていることは限られているから。
だから、まずは会って話してみることが第一段階。そこから”ああこういう面白い可能性があるんだ“ということに気付けたら、それが二段階目になるんじゃないかと思います。
そして、もう一つは全く違う方法で“私たちを見つけてもらうこと”ですね。
問題は知名度が低いことなんですよ。
CIってどんな団体?×××(某有名環境保全団体)みたいな感じですと説明してしまったら楽かも、という衝動に駆られることもあります。
その点でいうと、やっぱり広報は大切ですね。それは、広報係頑張れ、という意味ではなくて、知られるということは大事、という意味で。
そのきっかけは新聞かもしれないし、インターネットかもしれない。私たちが、魅力的なコンテンツを作っていくということが大切だと思います。
だから、広報部門ではインターンにも手伝ってもらっているんですよ。
写真:ブラジル・アマパ―州にて、CIスタッフと
*人間と自然の未来について
菊池:人間と自然の未来について考えるとき、私は自然の中に人間が入っていったら、必ず自然を壊してしまうような気がしてしまいます。浦口さんは人間と自然の共存は可能だと思いますか?
浦口:人間も自然の一部である、というのを認識した上で。その場所が置かれた状況に応じて、目指すべき「共存」は違ってくると思うんです。
あらゆるところに人が住んでいる地域では、まだ残っている自然を人間が持続可能な形で使うということを実現しないといけないし、可能だと思っています。
一方で、原生的な自然がある場所では、人の手がほぼ入らない場所とバッファー的な使う場所を含める土地計画を作って、それを守ってゆくということが大切だと思います。
そういう取り組みは、非常に限られた範囲であるにせよ、少なくとも日本ではある程度できていることなので、不可能なことではないと思います。
そして、すでに人間が入ったところ、まだ原生的なところ、それぞれで賢く自然を保っていかないといけないし、それは可能と信じています。
「なぜなら人間は自然を必要としているから。」
*浦口さんの今後について
菊池:浦口さんがCIスタッフとして働く中で今後に向けて抱負や課題などはありますか?
浦口:たくさんありすぎて・・笑
「頼れる人になりたいですね」
仲間と何かをするときに”あの人は大丈夫”と思えると余計な心配をしなくていいから、物事がより効率的に進むんです。
新しいことをするにしても、生み出す土壌としても、いっぱいいっぱい感が漂っているより、
「受け入れ可能な感じの方が新しいことが生まれやすい気がするので」
そういう風に、成長したいと思います。
例えば気候変動ひとつとっても、このままいったら本当にどうなるんだろうって感じで、絶望的な感じがする。CIとしては、大きな規模で変化を起こすことで、絶望的じゃない未来を目指しているんですけど、
「私個人としては、願わくば私がやっていることすべてが、世の中をポジティブな方向に向かわせることであってほしい」
そして、それは絶望的な状況を解決できるわけではないかもしれないけど、あるいは何かをやろうとして失敗するかもしれないけど、失敗してもいいんです。なぜなら、マイナスにはなっていないから、ベースラインがすごくネガティブだから。
そういう、絶望的なんだけど楽観的、みたいなかんじで考えています。
vol1~vol3に渡って、CI政策パートナーシップシニアマネージャーの浦口あやさんをインタビューしました。
今、世界の状況はとても深刻なものかもしれない。浦口さんは、そんなシビアな状況を真正面から受け止めたうえで、自分の行動についてはとてもポジティブです。
環境問題というと途方もないことのように感じますが、浦口さんのように常にポジティブかつ真剣に問題に取り組んでいる人に出会うと、自分も問題のスケールの大きさに思考停止している場合ではないと感じます。
さて、浦口さんのインタビューはこれが最終回です。次回からは、CIジャパンの広報を担当されている磯部 麻子さんのインタビューです。
このインタビューでも浦口さんが触れていらっしゃいますが”広報”はCIジャパンにとって活動の要です。
磯部さんのインタビューで、また新たな視点からCIジャパンや環境問題について知っていただけたらと思います。
現役大学院生がきく”CIジャパンスタッフの「世界を舞台に働く」”とは
次回もぜひお付き合いください!
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