【リオ+20】見ざる、聞かざる、言わざる


Yasuです。先週、LAでのCI理事会に出席後、その足で一昨日からRio+20に来てます。120ヶ国の首脳が参加する本会議は明日からですが、(日本からは一時は野田総理が出席と言われていた時期もありましたけど、今の国会の状況では、大臣レベルでも難しいかもという、情けない状況のようです)、先週から始まってる事務レベル会合も含めて約5万人が参加するとも言われていて、リオ市内と会場となるリオセントロを結ぶ幹線道路は既に麻痺気味です。会議場以外でもサイドイベントやレセプションなんかが開かれてて結構タクシー移動も多いので(うーん、環境の会議でこれはいかがなものかと思うけど。ちなみに、ブラジルは、サトウキビから精製したバイオ燃料をガソリンに混ぜて使ってるから、若干CO2排出は少ない?)、明日以降、道路状況がどうなるのか気を揉んでいるのですが、ブラジル政府は明日からの本会議中の3日間を国民の休日とすることを発表(凄いね!さすが、ブラジル。ブータンとは正反対のアプローチで国民の幸せを追求してるような印象)。少しは、渋滞は緩和されるのでしょうか。

さて、肝心の会議の方は、順調に進んでる、とはとても言えない状況のようです。
成果文書の交渉は、多くの対立点がある(あった)ものの、「合意」を取り付けることを最重要目標とするホスト国ブラジルの強引ともいえる議事進行のおかげで、ほとんど身のある内容(つまり対立点)は削ぎ落とされ、スカスカの成果文書になりそうだというのが、hallway(すなわち会議室の外の「廊下」)でのもっぱらの噂です。グリーン経済など、環境保全色の強い条項や内容は、成長の制約条件を嫌う一部の途上国が反対しており、対立点を文字通り「削除」する議長の戦術でどんどん取り除かれてしまっているようです。とある政府交渉官も、「『痛み分け』どころじゃなく『負け負け』ですよ」と言っていました。ちなみに日本は、EUやニュージーランドと一緒にもっと厳しい内容にすべきとのポジションのようなのですが、うまくいかないものですね。

コンビニに置いてある会議を皮肉った雑誌
こんな会議に進展を見越してか、リオのコンビニで売っていた雑誌の表紙は、パンダが、見ざる、聞かざる、言わざるのポーズをとってるものです。不都合な真実(verdades inconvenientes)を見ようとも聞こうともせず、行動も起こそうとしない国際社会を皮肉ってるってことなんですかね。

事務レベルでの文書はほぼ合意できた(曰く、ブラジル政府。各国はブラジルが書いた修正案についてコンサルテーションを受けてないと不満の声が出ていてどうなることやら)らしいんだけれど、NGOコミュニティを中心に非難の声も上がってて、この会議のキャッチフレーズであるThe Future We Wantをもじって、「The Future We Don't Want」キャンペーンが立ち上がるなど、風雲急を告げつつあります。

今日からのハイレベル会合で、大どんでん返しはあるか?!行方を追いたいと思います。


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