2012年6月21日木曜日

【リオ+20】The Future We Want?


Yasu@リオです。

昨日(19)のプレナリーで成果文書が合意され、今日から始まるハイレベル会合で採択されることになりそうです。もう、日本でも報道されているかと思いますが、世界中から集まっているNGO達からは、大きな失望の声が漏れています。中には、「これはもう(行動を起こそうとしない国際社会、各国政府に対して)戦争を始めるしかない。マンデラも命をかけて戦ったのだ!」と強い調子で憤りを表明しているNGOもあります。

さて、我々CIはどう受け取っているか・・・

この成果文書に満足かといえば、もちろんそんなことはないのですが、Optimism(楽観主義)を標榜するCIとしては、今回の会議から前向きな兆候を見出そうとしています。
CIが力を入れる、自然資本に立脚したグリーン経済への転換、という観点からいえば、グリーン経済自体に関する記述は著しく弱められたものの、グリーン経済への転換に重要なパーツは、あちこちに散りばめられていると捉えています。例えば・・・

また、成果文書自体は、この会議からの成果のほんの一部であって、特に会期中に公式、非公式を含めて開催されている6000ものサイドイベントでは、政府間交渉よりもずっと踏み込んだ議論が、多くのイベントでは各国交渉担当官も交えて、熱烈な議論がなされていることは、今後に向けて大きな期待を持たせるものだと思います。例えば自然資本の経済評価に関するイベントなど、数えきれないほど開かれていて、とても全て参加することは出来ないくらいです。最近の国連会議の特徴として定着しつつあると思いますが、サイドイベントでの議論が必ずや近い将来の政府間交渉の主要議題になってくるので、その意味からも光明は見えると思います。

また、民間企業の中にも、かなり前向きに突っ込んだ議論をしているところも見受けられます。たとえば、ユニリーバ社は、CEO自らサイドイベントに参加し、企業はサステナビリティに取り組むことで誉められるのではなく、しないことに対して罰せられるべきである、株価や企業価値はサステナビリティの確保の上に成り立つべきである、そのためには政府を待つのではなく企業が率先して行動を起こす必要がある、そして自社はそのための行動を起こす!というような表明をしていました。
まずは、政府が方針を示してくれないと対応しようがないとか、自社の技術の売り込みにばかり熱心などこかの国の企業とはえらい違いです。もちろん、ユニリーバ社が、環境負荷をゼロにできてるというわけではないけど、将来ビジョンを示せる企業リーダーがいるというのは、素晴らしいですね。

一方、今朝から始まったハイレベル会合では、インド洋の島国モルジブが、国全体のMPA(海洋保護区化を表明(5年後を目標に、サンクチュアリや持続可能な漁業ゾーンなどを組み合わせた世界最大の海洋保護区とするとのこと。あっぱれ!したりしており、各国あるいは企業によるボランタリーな取り組みが進む環境作りが、このRio+20のプロセスを通じて進んでいることは、実感できます。

とはいえ、CIとしても、これら前向きな「パーツ」が今後どのように位置付けられ、全体のフレームワークが作られ、そして何よりも実行されていくか、という部分を考えて行かなければならないと感じています。成果文書の詳細な分析をこれから取りかかります。

ちなみに、自国の政府代表団に入っているCIスタッフから聞いたところによれば、交渉での日本の主張は、総じてポジティブだったとのこと。特に、持続可能な森林経営に関してより具体的記述を求めていたほか、USなどが強硬に拒んでいた技術移転についても柔軟性があったということです。
ただ、(もちろん?!)海洋に関する突っ込んだ記述への反対意見について、それを積極的に反対(つまり記述に賛成)することはなかったとのことで、世界第6位の海洋国家としてのリーダーシップの発揮は、夢のまた夢?ということでしょうか。海洋に関する記述は、最後の最後にUSとベネズエラが強硬に反対してテキストが著しく弱められたんですが、USとベネズエラが結果として共同戦線を張っていたのは、皮肉でした。



日本からは玄葉外務大臣が出席するとの情報が入りました。首相が来ないのは残念ですが、地球環境を取り巻く現状をしっかり感じ取って帰国して欲しいと思います。

地元の新聞に出てたリオの海岸での人文字の写真。リオ~生命のために…