2014年3月24日月曜日

困難を乗り越えて、コロンビア・アマゾンで漁獲回復へ進展

By マルガリータ・モラ/CIコンサベーション・スチュワード・プログラム

201212月、私はコロンビア・アマゾンのカケッタ川下流およびアパポリス川流域での素敵なコミュニティプロジェクトについて、ブログ記事を執筆しました(*: リンク先記事は英語です)。​
コロンビア・アマゾンのコミュニティが最近構築した
森林や河川、湖などをパトロールする村民の滞在用キャンプサイト
(
©コンサベーション・インターナショナル/マルガリータ・モラ撮影)
このイニシアティブは、生態系保全に関する合意の導入により、漁業による乱獲問題を明らかにし、かつ湖や小川、周辺の森林などの管理を強化するもので、同時に、これまでこうした生態系を守ってきた現地の先住民や農村コミュニティに直接的な利益を供与するものです。​
最近、コロンビア東部を訪問した際、私はこの保全合意が継続して効果を挙げていることを知り、大変嬉しく思いました。とはいえ、まったく問題がないわけではありませんでした。

CI
「コンサベーション・スチュワード・プログラム」ラテン・アメリカ・プログラムのマネジャーとして、私の仕事には、こうした保全合意に関わるコミュニティを定期的に訪問する、というものが含まれます。伐採を止めるなどの具体的な保全コミットメントを取り付ける代わりに参加コミュニティはインフラ改善のための援助、また森林や湖における不法行為を取り締まるパトロールを行うことで賃金を得るなど、地元の人々自身が取り決めた実質的な利益を得ることになります

今回の訪問では、私は前回訪れていなかったふたつの先住民コミュニティの人々と対話したいと思いました。特に、彼らがこのプログラムをどのように感じているか、また主な問題点などについて知りたいと思いました。​

コロンビアの当地域の先住民コミュニティは、タニムカス、ユクナス、ミラニャス他、いくつかの民族で構成されています。それぞれのグループは別々の固有言語を持っており、それが当地での活動の障壁になっていました。しかし、彼らは多くの似通った習慣を共有しており、それが共同生活を可能にしていました。

魚は多くのグループにとって主要な蛋白源です。未だに伝統的な魚採りの道具を使っているグループもありますが、ほとんどは近代的な釣り針や魚網を購入しています。保全合意が成立する前は、彼らはダイナマイトやバルバスコと呼ばれる有毒の木を使って魚を殺すなど、破壊的な手法も使っていました。​

今回、私が訪問したふたつのコミュニティは、この地域の主要な街であるラペドレラからそれぞれ遠く離れています。そもそもラペドレラ自体が、アマゾナス県の主要都市であるレティシアから、飛行機で
1時間(またはモーターボートで7日間)離れているのです。ヌミという、ヤイゴヘ・アパポリス先住民保護区内のとあるコミュニティは、ラペドレラからカヌーで2時間と徒歩1時間ですが、これは乾季の話で、雨季にはボートで7時間以上かかります。キュラレは、キュラレ・ロス・イングレセス先住民保護区内のふたつのコミュニティのうちのひとつで、これはカヌーで3時間ほど離れています。
コロンビア・アマゾンの辺境の村の子供たちが、
 ジェネレーター発電のテレビでディズニー映画を観ている様子 

(©コンサベーション・インターナショナル/マルガリータ・モラ撮影)
​今回の旅行中、私はウェイド・デイビスの書いた"ワン・リバー (One River)"という、近代民族植物学の父リチャード・エバンス・シュルツの人生について書かれた本を読んでいました。シュルツは、第二次世界大戦中、カケッタ川下流やアパポリス川流域のコミュニティでフィールドリサーチを敢行した人です。​

コミュニティを訪問し、森を歩きながら、私はシュルツの時代からいったいどれだけの土地が変わってしまったのだろうと、ずっと考えていました。もちろん、ラペドレラには行きやすくなりましたし、カヌーにモーターがついたことで、昔よりずっと遠く離れたコミュニティへの旅が可能になりました。でも、ヌミやキュラレのようなところは、診療所から未だ遠く離れていますし、基本的なインフラサービスへのアクセスがないのです。季節によっては、コミュニティの
90パーセント近くの人々がマラリアに侵されています。

コミュニティの人々は、保全合意はコミュニティの人々と
CIコロンビアチームが互いに協力して作ったものだと言いました。おかげで今では、湖により多くの魚が棲み、余所者が不法漁業に来ることはなくなったそうです。ヌミの近くにあるエルグリロ湖でモニタリングを行ったところ、このイニシアティブで保護している魚の一種であるピラルクの魚群数が、2009年の291から2012年の359に増加しており、特に幼魚から成魚の比率が高まっていることが分かりました。​

彼らは、パトロール活動は骨が折れるけれど、自分たちのテリトリーについて理解するのに良い機会でもあるし、そうでもなければ、村から遠く離れた土地へ出掛けて行くための燃料代すらないのだ、とも言いました。彼らは他にも、食料品を買ったり、子供たちの学用品や医薬品、衣類などの購入に充てられる給付金も得ています

このうちのあるコミュニティで、ついに常設のキャンプサイトの構築を決定したことを、私は大変喜ばしく思いました。交代性でモニタリング活動を行っているコミュニティの人々は、これにより保護区での約1ヶ月の滞在期間を、かなり快適に過ごすことができるのです。​

この他、保全合意に基づいて供与される様々な利益に関連して、村人たちが直面している問題点も判明しました。ラペドレラには銀行がないので、このプロジェクトに必要な資金は、ボゴタから送金しなくてはなりません。
CIコロンビアチームが問題解決に手を尽くしたものの、送金手段の代替措置は何ヶ月も見つからず、資金供給に遅れを生じていました。
コロンビア・アマゾンの湖に映る森林 
(
©コンサベーション・インターナショナル/マルガリータ・モラ撮影)
コミュニティの人々は、この状況に理解を示してくれてはいますが、とはいえ問題の早期解決を望んでいます。ゆくゆくはラペドレラに銀行の支店を開設してもらうか、コロンビア政府に携帯電話で入金できる仕組みを導入してもらえるといいと思います。コミュニティの多くの人々は携帯電話を所有していますが、電波を受信するにはラペドレラまで行かなくてはならないのです。CIコロンビアチームがこうした問題を解決するため、時々夜を徹して活動しているのも、私は知っています。​

今年2014年は、このプロジェクトにとって、非常に楽しみな年になりそうです。昨年末、私たちの活動のために、米国三菱商事財団より3ヵ年助成金を、また地域環境公社コーポアマゾニア(Corpoamazonia)より1ヵ年助成金を、それぞれご提供いただくことになりました。こうした助成金は、現在継続中のトヨタ環境活動助成プログラムによる資金援助を補完するものになります。​

これらの資金援助は、現地でのパトロール活動の継続、魚類集団のデータ収集、このプログラムの現地の人々への影響に関する社会経済的モニタリング、そして
CIコロンビアチームによる技術的サポートの提供継続などを実施するために使用されます。また、環境収容力に基づく持続可能な漁獲量の判断のため、ピラルクの魚群数回復状況の調査も継続できればと考えています。

もしこれが実現すれば、コミュニティの人々は、自分たちの湖を守る努力は確実に報われるということを、身を持って知ることになります。今後もこの活動の進捗状況について、
CIブログサイト「ヒューマン・ネイチャー」にてご報告する予定ですので、どうぞご期待ください!​

マルガリータ・モラは、CIの「コンサベーション・スチュワード・プログラム」のラテン・アメリカ・プログラムのマネジャーです。

​英語版ブログ記事はこちらから​