2014年3月26日水曜日

【IPCC】気候変動に対応できる今が、チャンスと考えよう!

 気候変動プログラム・ディレクターの山下です。昨日より横浜で開催されているIPCC(気候変動に関する政府間パネル)38回総会に参加しています。世界各国より500名を越す人々が参加しています。
【横浜のIPCC会場】

気候変動による地球への影響やその対応策を論ずるIPCCによる報告書は、世界中の数千人にのぼる科学者の参加により作成されます。2007年にIPCC自体がノーベル平和賞を受賞したことは、皆さんも覚えていらっしゃるのではないでしょうか?今年10月に発表される予定の「IPCC5次評価報告書(AR5)」は、2007年に発表された報告書(AR4)以来の評価報告書です。総括となるこの報告書を発表する前に、いくつかのワーキンググループがあり、今回横浜で協議されているのは2回目のワーキンググループです。主に、以下の内容に関わる報告書の取りまとめ作業をを行っています。
·         気候変動により、世界中にどのような影響が起こるのか?
·         気候変動にどのように対処していけばいいのか?(適応)
·         気候変動に特に脆弱な国々や地域はどこか?

【26日の開会式:中央、石原環境大臣、向かって右横にパチャウリ議長】

 この会議は非公開で進められているので、参加していても色々ご報告できないのが心苦しいです。
一方、事前情報として、報告書の内容が一部報道されました。(未合意の内容です)。それによると、
充分な対策をとらないと、今世紀末までに以下のようなことが起こるとされています;
·         2.5度の気温上昇で、世界全体で年間最大148兆円の経済損失
·         河川洪水の被害人口が3倍に増加
·         海面上昇の影響で数億人が移住
·         穀物生産量が10年ごとに最大2%減少
·         人口増加により、一部の地域では食料確保が困難に
これらは、報告書のほんの一部にすぎません
 
しかし、これらは、地球の未来の姿としてとらえるべきなのでしょうか?人間の叡智をもって、今明らかにされたこれらの課題を認識し、対応し、気候変動による影響をなるべく軽減していくことが、できるはずです。そして、報告書には、そのための対応策もふんだんに組み込まれる予定です。

 今後の地球の未来を、自分たちの力で変えるための報告書。それが、IPCCの役割りです。全世界30カ国以上で事業を実施しているCIも、今回の報告書を悲観的に受け止めるのではなく、対応策をすばやく実践していくための「機会」として捉えています。
 それにしても、横浜での開催にも関わらず、国内でのIPCCへの注目が低いです。報道も少ない。最近、私たちが生きている今の時代がよければよい、というその場しのぎ的な風潮を、なんとなく感じます。それは間違いです。気候変動は既に世界中で様々な影響を及ぼしています。その事実に自分が襲われ、気付いてからでは、多くを失うことになるでしょう。