コンサベーションツール:ドローンを活用した熱帯雨林保護活動
※本ブログ記事は、CI本部の記事を日本語にしたものです。
原文 http://blog.conservation.org/2015/05/conservation-tools-how-drones-can-save-rainforests/#more-22039
ブログシリーズ「コンサベーションツール」の最新版。科学者の自然探求および保全活動に役立つ最先端技術にスポットライトをあてて紹介するシリーズです。
Written by CIスリナム広報 ミリアム・ゴメス
2015年5月13日
中央スリナム自然保護区にてコンサベーションドローンの活用法を学ぶレンジャーたち。(© Conservation International/photo by Ivor Balsemhof) |
近年、ドローンは空想科学の世界から近代社会へと飛び出してきました。国家安全保障からクリーニングのお届けまで、幅広い分野での活用が見込まれています。
ただドローン(正式名称:無人航空機)は必ずしもすべての分野で受け入れられているとは限りません。世界中でセキュリティーやプライバシー面での不安を指摘されています。しかし、環境保全の分野においては、ドローンはここ数十年間で最も重要な技術革新の一つになるかもしれません。地球上の最も重要な資源の効果的な保全活動に変革をもたらす可能性を秘めています。
この変革が実際に遂行されているのが世界で最も森林率が高い国、南アメリカのスリナム共和国です。スリナムの森林は大量の淡水をろ過し、何世代もそこに暮らしてきた先住民のコミュニティーに直接的な恩恵をもたらします。しかしこれらの森林は、違法伐採や金採掘によって脅かされているのも事実です。
そこでCIスリナムでは最近、スリナム環境保護部所属の9人のレンジャー(森林警備官)たちにドローンの操作トレーニングを実施しました。トレーニングの目的は、レンジャーの保護責任下にある広大な森林区域におけるドローンを活用した監視方法の教育です。
コンサベーションドローンは、地上の物を詳細かつ高解像度で撮影することが可能です。違法伐採、採鉱活動、密猟活動を含む自然を脅かす人間の活動も捉える事が出来るのです。レンジャーの活動区域が限られた道路、資金、時間で制限される中、ドローンを活用することで関心区域を特定し、脅威をより簡単に探知することが出来ます。
中央スリナム自然保護区におけるCIによるコンサベーションドローンのトレーニングで、ドローンの発射訓練を行うレンジャー。(© Conservation International/photo by Ivor Balsemhof) |
コンサベーションドローンは、スリナムのレンジャーの広大な保護活動区域でのモニタリング活動に役立ちます。スリナムは世界で森林率の一番高い国であるにも関わらず、これらの森林は人間の活動によって脅かされています。(© Trond Larsen) |
レンジャーたちは、飛行機と形が似ていて離着陸時には開けた場所が必要な、固定羽翼型ドローンを用いてトレーニングを行いました。ドローンの組み立て、飛行準備、そしてドローンと連携しているコンピューター上での飛行ミッションの計画作成手順を学びました。
このプロジェクトでは、世界で最も広大な熱帯雨林保護地域の一つである中央スリナム自然保護区のモニタリングに焦点を置いた活動を行っています。これは、CIスリナムによる、重要な自然地域における現地政府のマネージメント能力強化策の一環として行うものです。このプロジェクトは、CIの活動を支援するスリナムの起業家連合であるFriends of Green Surinameの支援を受けています。この資金援助のおかげで、2機のコンサベーションドローンを購入し、レンジャーのトレーニングに活用することが出来ました。
トレーニング終了後、CIスリナムのJohn Goedschalk所長から計画・土地・森林管理省(Ministry of Planning and Land Forest Management)へのドローンの受け渡しが行われました。大臣は最近発生したWeg naar Zeeリゾートでの洪水に対し懸念を示し、高潮被害を低減するために沿岸地帯のマングローブ保全行動を促すのは彼の使命だと発言しました。また大臣はこの事態に対するドローンの技術を活用した解決法についても興味を示しました。
CIではスリナム、カンボジアからペルーまで、地球上のさまざまな地域でのドローンの活用を開始しています。
ドローン初飛行に関する報告には少々早すぎますが、ドローン技術の躍進を考えると、近いうちに報告することが出来ることでしょう!乞うご期待。
ドローンの活動の様子については、トレーニングやスリナムにおけるドローンの活用方針をまとめたこちらの短編ドキュメンタリーをご覧ください。
(翻訳協力:CIジャパンインターン 江島真)
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