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森林のカーボンオフセット ~不都合な真実?いえ、もっと奥が深い問題です~

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※本ブログは、CI本部ブログの“Forest carbon credits ‘worse than nothing’? There’s more to this story” (リンク) を日本向けに和訳編集したものです。
執筆:ジョアナ・ダービン ------------------------------------------------

© Charlie Shoemaker | Chyulu Hills, Kenya
昨年アメリカでは3,000人以上が心臓移植を受けた。
寿命を長くする医療技術は、理論から実践へ、そして当たり前のものとして進化していった。
何十年もの研究・実験、そして失敗を経ながら・・・
気候変動の危機を食い止めるためのアイデアの一つについても、これと同じことが言える。
そのアイデアとは、温室効果ガスを排出する先進国が、「カーボンクレジット」を購入することで、森林を伐採しない努力をする途上国へ投資するというものだ。先進国はカーボンクレジットを購入する形で取引し、その収益が、森林を残すことの”インセンティブ”として発展途上国の土地所有者に支払われるという仕組みである。
最終的に、カーボンクレジットの価格は時間と共に上昇するので、市場原理により炭素排出が抑制される一方で、森林生態系は、温暖化を促進する炭素をより多く大気から吸収し、気候の安定化につながる。
このアイデアは、何年にもわたり、様々な形態を取ってきた。そのどれに関しても、机上の論理と違い、現実ではもっと複雑であることがわかってきた。
そして、カーボンオフセット・プロジェクトの多くは、気候変動問題に対して思っていたような効果を上げられていなかった。
プロ・パブリカが発表した、「もっと不都合な真実:なぜ森林保護のためのカーボンクレジットは逆効果なのか」という記事では、カーボンクレジットを用いた取組みは今後失敗に終わる運命であり、そのための努力はやめたほうがましであると結論づけるのに、上の事実は十分な根拠となる。
この理論に賛同する人もいる。
森林保護の目的としてカーボンクレジットについて精査すること自体は良いことである。一番良くないのは、泥棒に追い銭のような、失敗するものを作ろうと、限られた時間を浪費してしまうことだ。
プロ・パブリカの記事はよく調査されており、こういった取組みが直面する気の遠くなるような困難さや…

イオン環境財団主催、第6回 生物多様性日本アワード(国内賞)授賞式を見学してきました!

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9/26(木)、国際連合大学で行われた、第6回 生物多様性日本アワード(国内賞)の授賞式を見学してきました。公益財団法人イオン環境財団が主催する本イベントは、2009年から2年に一度開催されており、今年で6回目です。

生物多様性日本アワード(国内賞)とは、①生物多様性の保全、②生物多様性の持続可能な利用、③生物多様性の普及・啓発を目的とする国内の取り組みを対象としており、審査委員会による審議のうえ、応募された取り組みの中から5団体を“優秀賞”、またその中から1団体を“グランプリ”として表彰するものです。



授賞式では、優秀賞を受賞された5団体による取り組み内容の発表と、グランプリの発表・授与式、そして青山学院大学 教授でおられます福岡伸一教授による記念講演が行われました。

2019年度のグランプリは、株式会社コクヨ工業滋賀の“ヨシで琵琶湖を守るリエデンプロジェクト”が受賞されました。琵琶湖周辺のヨシに関する“保全活動”と“活用”の両輪で、環境の保全・維持を目的とした事業を2007年から行ってこられました。

ヨシは、琵琶湖の水質浄化や魚や水鳥等の生態系の保全、そして波風・水流から湖岸の浸食を防ぐ役割も担っています。また、ヨシは伝統的に生活の中で活躍してきた植物であり、よしず(ヨシで作られたすだれ)やよしぶき屋根として利用されてきました。しかしながら、最近ではライフスタイルの変化により、ヨシは生活から離れていっているのが現状です。取り組み内容の発表の際には、琵琶湖周辺で伝統的に行われてきたヨシ産業の衰退と、それによって引き起こされるヨシ原の荒廃とヨシ文化の崩壊に問題意識を持ち、活動が始まったとお話しされていました。一方、滋賀県は琵琶湖とその周辺の環境保全のために、さまざまな条例を制定してきました。このような背景があり、ヨシの活用とヨシ文化と琵琶湖の環境の保護をめざしてプロジェクトは進められてきました。

また、ヨシを刈って琵琶湖周辺の環境を整備し、そして刈ったヨシは文房具製品へと作り替えるという取り組みの中で、様々な工夫が行われていることが説明されていました。130社もの会社とネットワークを構築し“地に足の着いた”活動を行っているということ、ヨシから作られた製品をキャラクターや地域文化とコラボレーションすることで、付加価値をつけて販売力をアップさせていること、そして多く…