海をまもるための考え方 (その1)


広報の磯部です。

今週816日、CIは海洋の健康を評価する「海洋健全度指数(Ocean Health IndexOHI)をリリースしました。OHIの論文は、15日午後1時(日本時間16時深夜2時)に科学誌「ネイチャー」(電子版)にて発表されました。
OHIは、人間生活と海の関わりを重視して、171の国や地域(排他的経済水域)の海洋状態を包括的に評価する世界初の取り組みです。
※OHI
について詳しくはプレスリリースをご覧ください。


今日から複数回に分けて、OHIにも通じる、CIが海洋保全のコンセプトにしている「シースケープ」についてご紹介したいと思います。

インドネシア、ラジャ・アンパットのサンゴ礁
夏真っ盛りの今、ふだん海に接する機会が少ない人でも、この時期は、海水浴へ出かけたくなりますよね。ダイビングで海の生き物を間近に見るのも良いですし、エコツアーなどで沖合いに出てシュノーケルをしたり。綺麗な海では沢山の海草やサンゴ礁を見ることができます。海の幸は、海岸近くいたるところで味わうことが出来ますが、海の素晴らしさはそれだけではありません。

健全な海は多くの生き物の住処であり、人は海から大切な食料を得たり、産業として収入を得たり、また、海草類の持つ炭素貯蔵の機能は気候の安定化にも重要な役目を果たしています。

CIは、環境保全を進める時に、そこに関わる人たちも含めた包括的な戦略作りを大切に考えています。なぜなら、自然は人間と切り離した存在ではなく、私たちはそうした自然から多くの恩恵を受けており、また、人間活動は自然に影響をもたらすからです。
地元に住む人々はもちろんのこと、行政や、間接的にその自然の恵みを得ている国々も含めた全てを一つと考えます。

CIは、2004年にそれまでの海洋管理、施策を大規模に改善するための新しいアプローチ、「シースケープ(Sea Scape)」を開発しました。※因みに“シースケープ“はCIの造語です。
「シースケープ」とは何かについて説明することはとても難しいのですが、一般的な「海洋保護区」との範囲を超えて、そこに人の生活が持続可能な形で営まれることが含まれています。

「シースケープ」を構成する9つの重要なポイント

1. 法的整備
2. 海洋保護区を含んだ、生態系管理
3. 適切な組織と許容範囲
4. 社会的、政治的なサポート
5. 企業の参加
6. 重要な生息地および生態系の維持管理、回復
7. 絶滅危惧種の保護
8. 人間の福利追求
9. 持続可能な会計とマーケットメカニズムの構築


次回からは上記9つの具体的な例をご紹介致します。

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