SCGISのGIS研修プログラム・スカラーシップのご紹介

生態系政策&企業連携マネージャーのYNです。

CIジャパンは、酪農学園大学、EnVision環境保全事務所、ESRIジャパンと協定を結んで、コンサベーションGISコンソーシアムを組織し、GISが効果的に使われることで自然環境の保全が推進されることを目指しています。同じ課題に挑戦する国際的なネットワークとして、コンサベーションGIS協会(Society for Conservation GIS/以下、SCGIS)がありあります。コンサベーションGISコンソーシアムは、SCGISの日本支部を担っています。SCGISは、毎年、6月~7月にアメリカ・カリフォルニアで、GIS研修を含む5週間のプログラムを開催しています。このプログラムの参加をサポートするスカラーシップがあります。今回は、このスカラーシップを簡単に紹介します。

まず、選考プロセス。世界中の支部が応募者を募り、支部内で選考の結果、候補者を推薦します。それを本部でさらに選考します。かなり真剣で熱の入った議論を交わしながら選ばれているようです。そして、20名弱の研修生が選ばれます。下は、今年の研修生(出身国と所属のみ)のリストですが、非常に多様な国・組織から参加集まっているのが分かります。

Finnish Association for Nature Conservation(マダガスカル)
Zambia Wildlife Authority(ザンビア)
Wildlife Conservation Society(エクアドル)
Crane Working Group of Eurasia(ロシア)
World Wildlife Fund(インドネシア)
Transparent World(ロシア)
Wildlife Conservation Society(ナイジェリア)
Centro de Investigaciones del Bosque Atlántico(アルゼンチン)
Centennial National Park,(ブータン)
The Nature Conservancy(タンザニア)
Nga Hau e Wha o Papararangi(ニュージーランド)
South African National Biodiversity Institute(南アフリカ)
Comunidad y Biodiversidad A.C.(メキシコ)
Painted Dog Research Trust(ジンバブエ)
The Nature Conservancy(モンゴル)
Centro Nacional Patagónico(アルゼンチン)
Blue Ventures Conservation(マダガスカル)

所属組織は、大小のNGO、政府機関、研究機関と多様です。研修生の関心事も多様で、陸域生態系、海域保全、保護地域、特定の種の保全、コミュニティ、先住民族のイシューなどが含まれているとのこと。3週間しっかりGISの研修を受けた後は、ESRIのユーザー・コンファレンスとSCGIS年次総会に参加し、自らのプロジェクトの発表もするのだそうです。研修はデイビス、ESRIユーザー・コンファレンスはサン・ディエゴ、SCGIS年次総会はモントレーと、カリフォルニアの3都市を移動しながら開催されるというのも、いかにも楽しそう。

近年の応募と採択の実績は、2013年は82名の応募に対し17名、2014年は53名の応募に対し15名、今年2015年は69名の応募に対し17名を採択しています。それぞれの支部での専攻を経て推薦された候補者を本部で選考しているので、かなり厳しい競争があることが分かります。日本からは、去年、一昨年と1名ずつ採択されています。

いろんなバックグラウンドを持って世界各地から集まる研修生と、研修を受けることは、研修の技術的な内容以上に得られることも多いでしょう。今年は、残念ながら日本からの応募がなかったのですが、来年は多くの人から挑戦してもらいたいと思っています。毎年、1月に公募されます。英語能力はある程度必要ですが、必須ではありません。ご関心のある方、是非!

また、コンサベーションGISコンソーシアムでは、ESRIジャパンのコミュニティフォーラムで生物多様性セッションを開催しています。今年は、5月29日の午後に開催されます(於、東京ミッドタウン)。自然環境保全を進めるためにGISを使う様々な団体・企業・組織から事例発表をしてもらうのに加え、研修参加者から、研修の様子についても発表してもらいます。ご都合の付く方、ぜひご参加ください。

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