海を守るためにあなたができる5つのこと


By Edgardo Ochoa

エドガルド・オチョアはコンサベーション・インターナショナルの海洋・安全ダイビングオフィサーです。

私はこれまでに5,000回以上ダイビングをして、数え切れないほどの時間を水中で過ごし、訪れた場所の生物多様性の豊かさに驚かされてきました。コスタリカのココス諸島でも、ニューカレドニアのウベア島でも、透き通った海に飛び込んで、色鮮やかなサンゴ礁や砂から顔を出した小さなカニを見つけたり、イタチザメを垣間見たりした時の感動は、私にとってかけがえのない体験です。

残念ながら、どの遠征先でも目にするものがあります。それは、プラスチックです。

最近の研究では、プラスチックが北極の氷河からサハラ砂漠の砂まで、地球上のあらゆる場所に到達しているということがわかっています。ペットボトル、お菓子の包装、廃棄された漁具をはじめ、たくさんのゴミが美しいサンゴ礁や魚の群れと一緒に浮かんでいる光景は、不思議なものではありません。

ただ、海がこれ以上プラスチックで溢れてしまわないようにするために、あなたにもできることがあります。すぐに始めることができる5つのアイデアを紹介しましょう。

1.そもそも買わないこと(でも買ってしまったら再利用すること)

これは、海を守りたいと感じている人への一番のアドバイスです。年間約800万トンのプラスチックが大量の石油やガス由来の汚染物とともに海に流出しています。現時点の傾向からするとプラスチックが次の20年で3倍に増え、世界の海岸線1メートルごとに50kgのプラスチックごみが増えることになります。

リサイクルはもちろん重要ですが、新しいプラスチックが海に流出するのを防ぐためにはプラスチックの利用量を減らすことが最も効果的です。食べ物の保存容器、バッグ、マスクなど何回も再利用できるものをできるだけ買ってみてください。最近の研究では、パンデミックが始まってから1290億枚のマスクと、650億枚の手袋が毎月使用されていて、この使い捨ての医療廃棄物の大半が海に流出し、食べ物だと勘違いした海鳥やウミガメなどが摂取してしまうことがわかっています。こうした状況を防ぐために、コロナごみは適切に処分して、安全な限り再利用可能なマスクを使い、レストランでテイクアウトを頼む時もプラスチックの容器を省いてもらうように心がけましょう。

2.買い物をする時にチェックリストを確認する

フィジーのラウ諸島にダイビングに行った時に、一番近い街から300キロほど離れた誰も住んでいないビーチで、ペットボトルのキャップが海岸に流れ着いたのを見てショックを受けました。ふと立ち止まり、なぜ、海の真ん中でこんなにごみが溢れてしまうのかと考えました。 実際にあなたが買うか捨てるかした商品は、大半が海にたどり着きます。しかし、あなたはこの状況を変えることができるのです。

スーパーに行ったり、家具を選ぶ時など、、買い物をする時はいつでも、次のいくつかの質問を思い浮かべてみてください。「これは再利用できるのか?」「どこで生産されたのか?」「リサイクル素材で作られたのか?」「これはサステナブルか?」

こうやって買い物をするようになって、はじめはいつもより数分ほど時間がかかるようになったのですが、今では商品が極力海に負荷をかけないためには何に注意して選んだら良いのかがはっきりとわかるようになりました。スパイス、ゼリー、パスタソース、サルサなどの商品は、ガラス瓶に入っているもののほうがプラスチック容器に入っているものよりサステナブルです。季節や祝日のイベントに合わせて新しいものを買うこともできるだけ避けています。たとえばハロウィーンのコスチュームはイギリスだけで毎年2000トンのプラスチックごみを排出しています。

3. 地域で持続可能に生産された食べ物を買う

地域で生産されたものを買うと小規模な地元のビジネスを支援することができるだけでなく、あなたの食生活が海に与える影響を最小限にすることにもつながります。地域で生産された食べ物の多くはスーパーにある他の食べ物に比べ包装が簡易で、輸送にかかる時間も短いので、飛行機、電車、トラックなどを使って運ばれる食べ物よりカーボンフットプリントが小さいのです。

シーフードを注文したり買う時には、その魚が環境的に持続可能な方法で、社会的に責任のある生産者の人権が守られている方法で生産されたかを確認するために、スタッフや魚売り場の人にどうやって魚が輸入されたのか、獲られたのか聞いてみてください。質問することでシーフードの流通業者の責任を担保し、消費者が自分のお寿司がどこから来ているのかを気にかけていることを示すことができます。既に、ウォルマートやホールフーズなどのチェーン店がシーフードが持続可能に生産されていることを認証ラベルで示していますが、最近では、海から食卓までシーフードがどのように生産されているか調べることができるアプリも出てきています。

4. カーボンフットプリントを減らす

2019年に公開された国連の海洋・雪氷圏特別報告書は、気候危機が世界の海を危機的な状況へと追い込んでいるということを明らかにしました。人間が温室効果ガスの排出量を劇的に削減しない限り、海水温は今まで以上に上昇し、成層化と酸性化を進めることになります。カーボンフットプリントを減らすためには、自宅の電力を再生可能エネルギーに変えることや、車ではなく徒歩や自転車で移動することから始めてみましょう。自動車は乗るたびに海に流出してしまう少量の石油やガスを放出しているので、毎週何回かは自動車の代わりに自転車を使うことで汚染を防ぐことにもなります。どうしても車を使わなくてはならない場合は、事前にルートを決めておいて、一回のドライブで済むようにしてみてください。

また、自分で排出量削減を試みたけれども減らしきれない分は、他の場所の温室効果ガスの削減、吸収に貢献するカーボンオフセットを利用することもできます。カーボンクレジットを購入することで、自然の力で大気中からCO2を取り除くことができる森林再生や回復などの保全活動を支援することができます。

・あなたは毎年どれくらいCO2を排出していますか?コンサベーション・インターナショナルのカーボンフットプリントカリキュレーターで排出量を調べて、オフセットしてみませんか?

コロンビア・マルペロ島でゴーストネットを回収するエドガルド
(©Edgardo Ochoa / Conservation International)

5. 清掃活動

私のコンサベーション・インターナショナルの海洋・安全ダイビングオフィサーとしての役割の一つは、ダイバーやパートナーの皆さんと技術を共有して、ダイビングをするたびに海に還元できるようにすることです。以前ダイビング指導機関のPADIで、海中にある廃棄物をどうやって安全に取り除くかをダイバーに教えるコースを共同開発しました。世界には趣味でダイビングを楽しむ人々が600万人以上います。もし、すべてのダイバーが一つだけでも放棄された漁具やゴミをダイビングするたびに拾うことができれば、海の清掃活動で記念碑が建てられるほどの効果があるでしょう。海をきれいにするためには、ダイバーである必要はありません。海の80%近くのゴミは陸から流出しているので、海の近くに住んでいなくてもあなたのゴミは海に流れ着いてしまうのです。街を散歩している時でも、ビーチ沿いを歩いている時もゴミを見つけたら拾って、適切な場所に捨てるよう心がけましょう。
 

冒頭写真:ビーチ沿いで見つけた大きなペットボトルのキャップを手に座るエドガルド。無人島であるオロルア島にまでプラスチックは到達している。(© Conservation International/photo by Edgardo Ochoa)

この記事はコンサベーション・インターナショナル本部ブログ "5 ways you can help protect the ocean — in and out of the water" を日本向けに和訳・編集したものです。



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