LPFNワークショップに参加して






3月9日(金)までナイロビで開催されていたLPFNワークショップに参加したNです。

LPFNとは、Landscape for People, Food and Natureのことで、EcoAgriculture Partnersが中心になり、CIも共同オーガナイザーになって立ち上げたイニシアティブです。今回のワークショップは、Landscapeの視点について理解を深め、食料保障の問題におけるLandscapeアプローチの展開にどう取り組んでいくかを議論するためのものでした。私は最終日しか参加できなかったのですが、非常に面白いワークショップであったことは1日参加しただけでも分かりました。プロのファシリテーターが進行をしきり、議論が散漫させずに、時間内で目指した内容を議論させ、ステージの脇では、イラストアーティストが議論内容をイラストにして分かりやすくまとめていました。この点、来週、自分もSatoyamaイニシアティブのワーキンググループの共同ファシリテーターをしなければならないことを意識しながら、大きなプレッシャーを感じてしまいました。


さて内容についてです。私が一番考えさせられたのは、「Landscape」あるいは「Landscapeアプローチ」をどう伝えるかということです。今回のワークショップでは、これらを定義していません。定義することで考え方や取組を固めてしまわないように、その場その場でいろんな形があるものだから、あえて定義していない、ということなのです。グローバルレビューの結果、同様の意味の言葉は、73も見つかったとのこと。日本語でいえば、景観、生態系、自然農業、有機農業、水域管理、、、、などが含まれる、自然環境と人の営みの統合的なコンセプトと言えるかと思います。定義すべきでない、「グリーンエコノミー」のように、誰にでもなんとなく意味が伝わればそれでよい、という意見から、それではここにいる人たち以外へ広げるときに問題になる、他のイニシアティブと連携を図ったり、LPFNの存在価値を示すには定義は必要、という意見が平行線でした。ただし、議論はここで書くことができるよりずっと深いものだったのでした。私は、Landscapeを定義しないとしても、活動を呼びかけていくには、Landscapeアプローチはもっとはっきりと説明(describe)すべき、と主張しました。学位論文を書いた時、生物多様性の定義につしてはいろいろな定義があることを挙げながら自分では定義せず、生物多様性保全について定義したことを思い出しました。

4日間の議論からまとめたCall to Actionが、近日中に発信されることになっています。それをもとに、みなさんもLandscape アプローチについて議論を深めてください!

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