現役大学生が聞く”CIジャパンスタッフの「世界を舞台に働く」とは” 第1回目 日比 保史 vol.4

第3弾では、CIジャパンに入った経緯と魅力についてでした。さて、最終第4弾は今後のCIジャパンの展望を話していただきました.......。

今後のCIジャパンの活動と日本の課題

木勢 もうCIジャパンで働き始めて10年が経ちました。CIの活動を通して、日本は環境に対する意識や行動がどのように変わってきましたか!?
写真③:エクアドルのCIフィールド先にて現地のパートナーらと
   (左端が日比さん)

日比 たしかに環境問題は認識されるようにはなったけど、日本を見ていて一番歯がゆいのは、日本人は日本しか見ていない。日本のことしか考えてないところかな。

木勢 日本しか見ていない!?具体例を教えてください。

日比 例えば、何年か前にとある企業が植物原料由来の商品を開発して、環境にいい商品ですって言って売り出したわけ。植物原料やから、使用中、使用後の環境負荷は、確かに少ない。でも、その原料はパームオイルを使ってるんやね。パームオイルを巡る問題、熱帯雨林を伐採して作っているとか、そこで劣悪な労働条件で人々が働いているとか、土地の利用権とか半ば強制的に奪われてしまっている人たちがいるとか。そういうことが認識されないまま、環境によい商品として売り出してしまう。当の売り手側も悪気があるわけじゃなくて、本気でそう思っているし、買い手もいいと思っている。環境問題の一番の現場というか問題は、海外にあって、それに日本も手を貸しているってことになかなか関心が向かない。


木勢 商品がつくられている現場ではまた別の問題が起こっているのに先進国の生産者となる企業側が十分理解していないのですね。


日比 そういうこと。まるで、自分ちの子どもが、お隣の家に遊びに行ってふすまをやぶいたのに、自分の家のふすまを直すことにしか関心がないようなものでしょ。それ、ちょっとちゃうんちゃうのってことやね。

木勢 確かに(笑)何か筋が違いますね。

日比 日本人は国の外に思いを巡らすことが苦手なんかもしれんね。飢餓に苦しんでいる子どもたち、絶滅危惧種の動物が殺戮されています、かわいそうと思うのに。それと自分達との関係を考えようとしない所は今も昔も変わってない。ちょっとイラつくわあ(笑)。だからCIジャパンの役割は環境問題を通して日本を外へ開いていくことなのじゃないかなと思っているのだけど。それをしないとこれからの日本は、どんどんダメになっていく一方やと思うよ。世界に目を開いて、意識を開いていかないとあかんと思う。

木勢 確かに環境に対する認知は高まってきているかと思いきや、日本から世界に対して想いをはせて想像するような感覚がまだまだないのかもしれません。本日はありがとうございました。

日比 こちらこそインタビューありがとうございました。



【取材を終えて】
CIジャパンの代表として、世界を舞台に輝かしいキャリアを歩んできたのかと思いきや、大学生までは冷めた学生生活を送っていたのは私にとって意外でした。しかし、キャリアの節目、節目で、自分のやりたいことを見つめてきたからこそ、民間企業や国際機関、NGOと渡り歩いてきても、終始一貫した仕事観(本当の意味で地球環境を仕事にすること)をもって人生を歩んできたことを感じます。本編では記しませんでしたが、日比さんはU2のボノ氏がとあるインタビューで発言したこの言葉がお気に入りです。

It’s not the how but it’s the why.

Howはあくまでプロセスであって、結果ではない。だからこそ、Whyの部分を考え抜いて行動することで、地球環境を守るという結果を追求してきました。「そもそも、なぜ?」という視点はキャリアをどのように歩むかというHowの部分よりもより深い問いなのかもしれないと感じたインタビューでした。

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