「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」 in SCAJ2016

先日9月28日~30日に、東京ビックサイトにて日本スペシャルコーヒー協会によるアジア最大のコーヒーイベント「SCAJ2016」が開催されました。


CIは、昨年パリCOP21にて正式発表された、コーヒー業界全体をサステナブルにするための世界的な取り組み「サステナブル・コーヒー・チャレンジ(Sustainable Coffee Challenge:SCC)」を初めて日本へ紹介するため、SCAJにてSCCのブースの出展およびSCCに関するセミナーを開催しました。


28日に行われたセミナーでは、CIジャパン代表理事日比保史、CI本部からシニア・ストラテジック・アドバイザーのバンビ・セムロック、そしてSCCに既に参加しているルワンダ共和国農林省(NAEB)セレスティン・M・ガタライーヤ氏、そして、株式会社ミ・カフェート代表取締役社長の川島良彰氏を迎えて各20分のプレゼンテーションが行われました。


1. CIジャパン代表理事日比保史

コーヒーの現状について説明している日比

SDGsについて説明している日比
まず日比からは、SCCがなぜ生まれたのか?コーヒー業界を取り巻く現状についてお話しました。今後人口増加に伴い、コーヒーの需要は増加が見込まれていますが、コーヒーの栽培適地は気候変動の影響により減少の傾向にあります。CIの発表したコーヒーレポートによると、2015年時点では、コーヒー栽培の適地の60%は現在の森林ということになります。森林の木を切らずに生産性を上げるためには、コーヒー生産がサステナブルでなければなりません。

また、なぜCIがコーヒーに力を入れているのか?コーヒーの主要生産地と生物多様性ホットスポットとの関係性について話しました。少なくとも16のホットスポットでコーヒーが生産されており、コーヒー生産をサステナブルにすることはその地域全体とそこからもたらされるプラスのインパクトを考えるとコーヒー生産地は、大変効果的な保全現場といえます。
左の 写真の中のスライドはSDGsの17の目標です。最後に世界が合意した持続可能な開発目標にいかにコーヒープロジェクトが貢献するのかお話しました。



コーヒーの主要生産地と生物多様性ホットスポット

 2.CI シニア・ストラテジック・アドバイザー、バンビ・セムロック
 
バンビ・セムロックのプレゼン
CI本部から来日したセムロックは、具体的にSCCはどのような仕組みなのか、どのように参加できるのかなどを説明しました。


SCCとは、コーヒーを世界で最初の真に持続可能な農産物とするために、広くコーヒーの関係者が集まった連合で、業界に共通するサステナビリティフレームワークを作成し、バリューチェーン全体に亘ってサステナブルへの需要を喚起することを目的としています。

コーヒー業界の変革

今現在、SCCの参加組織は48組織あります。その中にはコーヒーの生産者、焙煎業者、貿易業者、また、政府やNGOなど、あらゆる業界団体がいます。


チャレンジに参加すると、①コーヒー生産者の繁栄と幸福、②環境保護、③コーヒーの持続的な供給、という3つのターゲットの少なくとも一つには貢献する目標(コミットメント)を宣言していただきます。
SCCへの参加は無料で、CIが管理している「コミットメントハブ」ウェブサイトを通じてコミットメントを公表し、定期的なアップデートを期待されます。コミットメントハブについては以下のスライドを参考にしてください。


コミットメントハブについて


3.ルワンダ共和国から農林省(NAEB)セレスティン・M・ガタライーヤ氏


ルワンダのコーヒー産業の実態についてお話していただきました。実はほとんどのコーヒーは輸出のために作られているのです。その割合はなんと99%にもなります。
セレスティン・M・ガタライーヤ氏のプレゼン
セレスティン・M・ガタライーヤ氏のプレゼン



4.株式会社ミ・カフェート代表取締役社長の川島良彰氏


川島氏のプレゼン
ミカフェートでは、
 all for coffee=生産者、農園、環境を守るために、生産国と消費国の懸け橋になるというミッションを掲げています。プレゼンテーションでは実際に行われている取り組みについて話して頂きました。 生産国でできること、日本でできることを各々考えて活動していることがよくわかりました。
また、一例として無印良品にて実際にタイで作ったコーヒー豆の販売についてや、ルワンダでのコーヒー作りの支援など、写真を使って説明していただきました。 

川島氏のプレゼン
 約1時間のプレゼンテーションの後、堀口珈琲の代表取締役社長の伊藤亮太氏を迎えて質疑応答の時間を設けセミナーは終了いたしました。

質問に答える伊藤氏
今回、多くの方にご来場頂き、セミナーは満席となりました。「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」について、多くの方々のご関心を得ることができました。


また、ブースの方も3日間多くの方にご来場いただきました。

 ご参加頂いた皆様どうもありがとうございました!



■「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」 ウェブサイト
http://www.conservation.org/stories/sustainable-coffee-challenge/Pages/overview.aspx

●日本語版 (鋭意製作中)
http://www.conservation.org/global/japan/Pages/sustainable-coffee-challenge.aspx



ブースの様子



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