“サステナブルコーヒー”とはなんだろう?
こんにちは。CIジャパンインターンの東海林優衣です。今回はCIジャパンのイベントやセミナーでも最近取り上げられた「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」に関するの記事をCI本部のブログから選びました!名前を聞いたらなんとなく想像がつく方も多いかもしれませんが、実際に何をどう行っているのかまではわからないと思います。私自身も先日東京ビックサイトにて行われた「SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2016」 (このときのブログ記事はこちら)でのCIジャパンのセミナーに参加してから「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」がどういうもので自分に何が出来るか、知ることができました。そしてこのブログ記事からも、コーヒー栽培適地やコーヒー生産者の現状、このままいくとコーヒーの存在がどうなっていくかなどのことを知りました。現在、コーヒーの需要は上がっています。しかし、生産者の中にはコーヒー豆作りをやめてしまう人も少なくありません。
これを機に、身近なコーヒーという存在に意識を向けて頂けたら幸いです。
コーヒー豆を手に持つ生産者(© Thomas Muller)
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Editor's Note:「気候適応」から「ブルーカーボン」、「ランドスケープアプローチ」、「生態系サービス」など、こうした環境用語は現在どこでも見られます。CI本部のブログ「ヒューマンネイチャー」では、そうしたよく見られる業界言葉について“What on Earth?”シリーズで解説しています。
今日は、コーヒーの日ということで(アメリカでは9月29日はコーヒーの日でした!)
“サステナブルコーヒー”を取り上げます。この言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれませんね。でも説明するのは難しいと思います。“サステナブル・コーヒー”とは何か?なぜそれが大事なのか?ということについてお話ししたいと思います。
このブログは10月5日に投稿されたannouncement of McDonald’s joining the
Sustainable Coffee Challenge.をアップデートしたものです。
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Q: まず、“サステナブルコーヒー”とは何でしょうか?
A:一般的に定義されているのは、自然を守りながら、かつ、生産者の生活環境をより良くする方法で育てられるコーヒーのことです。
A:一般的に定義されているのは、自然を守りながら、かつ、生産者の生活環境をより良くする方法で育てられるコーヒーのことです。
Q: 待って下さい、コーヒーは自然を破壊するようなやり方で生産されるのですか?
A: はい、できます。コーヒーは、世界に残された熱帯雨林のほとんどが含まれる熱帯地域でしか育ちません。コーヒー農家がコーヒー栽培地を拡大したいとき、一番簡単な方法は辺りを囲む木々を切ることです。その上、コーヒーは急斜面で育ちます。もし、適切な管理が施されなければ、コーヒー栽培は浸食や水路の沈降を引き起こす可能性があります。コーヒーの加工にも水を大量に使用し、排水によって川などを汚染することもあります。これらが同時に起こると、すぐに持続不可能になってしまうのです。
Q: なるほど。しかし、生産者の暮らしがどう関係するのですか?
A: 1億2000万人コーヒー農家のうち、一部の人々は完全にコーヒーに生計を頼っています。大半の人々は小規模農家や、農園労働者です。他の産業と同じく、コーヒーの買い手はできるだけ安く買い、高く売りたいのです。しかしながら、不安定な市場のせいで、コーヒー生産者や農園労働者には損害が出ています。そして、市場が低価格を維持していこうとすると、労働者を搾取することに繋がります。このようにコーヒーが低価格であることは、森林の伐採や悪質な害虫駆除剤の使用、そして児童労働などのように、安い労働力に頼ることを強いることになります。
全ては利益を生みだすために…
A: 1億2000万人コーヒー農家のうち、一部の人々は完全にコーヒーに生計を頼っています。大半の人々は小規模農家や、農園労働者です。他の産業と同じく、コーヒーの買い手はできるだけ安く買い、高く売りたいのです。しかしながら、不安定な市場のせいで、コーヒー生産者や農園労働者には損害が出ています。そして、市場が低価格を維持していこうとすると、労働者を搾取することに繋がります。このようにコーヒーが低価格であることは、森林の伐採や悪質な害虫駆除剤の使用、そして児童労働などのように、安い労働力に頼ることを強いることになります。
全ては利益を生みだすために…
Q: それはよくないですね。私は高くないコーヒーが好きですが…
A: 私たちみんなそうですよ。しかし、もしこれらのことがすぐに変わらなかったら、私たちは今後途方もなく高い値段を払わなければいけないことになります。
A: 私たちみんなそうですよ。しかし、もしこれらのことがすぐに変わらなかったら、私たちは今後途方もなく高い値段を払わなければいけないことになります。
Q:どういう意味ですか?
A: コーヒーは世界で最も取引されている熱帯産業商品であり、中国やインドのように伝統的にお茶に恵まれている場所での需要も増えています。この需要の増加はコーヒー生産を新たなエリアへの拡大へと押し進め、森林伐採を導くかもしれません。森林破壊は炭素を木々の中に留まっていた炭素を大気中に放出させます。持続不可能なコーヒーの生産拡大は実際に気候変動に影響を及ぼしています。ひるがえって、コーヒーは次々に気候変動の影響に悩まされることになるでしょう。そして、そのような森林が与える自然のサービスに頼っているコミュニティも同じように悩まされることになるでしょう。
Q: コーヒーは気候変動によって被害を被るのですね?どのように?
A: 気候変動によって気温と雨量のパターンが変わると、特定の気候を必要とするかつてのコーヒー栽培適地は、もう二度と栽培に適さなくなるでしょう。この問題は既にメキシコのコーヒー栽培地域など、いくつかの農家では気候変動に影響されにくい(そして、市場によって価格変動の影響を受けにくい)他の作物に切り替えているなどの問題が起きています。これはコーヒーの供給を減らすだけでなく、長い目で見れば、コーヒー価格上昇させることにつながります。将来のコーヒー不足も予測されます。
Q: わかりました。‘将来“とはどのくらい近い将来なのでしょうか?、そして何が起こるのでしょうか?
A: なんとも言えませんが、コーヒーの樹は20年から30年間かけて成長するので、気候変動の影響によって、それまでに生産者が農園の経営存続を断念せざるを得なくなるかもしれません。そうなれば、サプライチェーンが破壊され、長期的な経済的利益の損失につながるでしょう。
Q: コーヒー栽培を断念?他に生産者が出来る事はないのでしょうか?
A: コーヒー生産者の選択肢には限りがあります。彼らは農園をさらに高い標高の、平均より気温が低く、よりコーヒー生産に適した場所へ移すか、コーヒーをもっと標高の低いところで育つカカオのような作物に切り替えることができます。もしくは、古くなった木や、病気になったコーヒーの木を、病気に耐性のある品種に変え、良い農園管理方法、実践事例を元に、害虫を駆除し、高温や雨量の変化にしばらく耐えるしかありません。
Q: 誰かが支援しているのでしょうか?
A: 多くの会社や政府機関、市民社会、組織などが既に何かをしていると聞けばあなたは喜ぶでしょう。しかし、状況はさらなる行動が必要とされています。今、最も大きな取り組みの一つは「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」と呼ばれているものです。コーヒーを世界最初の持続可能な農産物とするために、コーヒー業界関係者-生産者、貿易業者、焙煎業者そして小売業者など- がサステナブルなコーヒーへの需要を高める(そして更なる支援を増やす)ために集まった、大きなイニシアティブです。
A: 多くの会社や政府機関、市民社会、組織などが既に何かをしていると聞けばあなたは喜ぶでしょう。しかし、状況はさらなる行動が必要とされています。今、最も大きな取り組みの一つは「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」と呼ばれているものです。コーヒーを世界最初の持続可能な農産物とするために、コーヒー業界関係者-生産者、貿易業者、焙煎業者そして小売業者など- がサステナブルなコーヒーへの需要を高める(そして更なる支援を増やす)ために集まった、大きなイニシアティブです。
Q: すごく野心的ですね。どのように実際に業界全体の持続可能性を達成させるのですか?
A: 聞いてくれて嬉しい質問です。サステナブルなコーヒーかアンサステナブルなコーヒーを買うしかないという選択肢の範囲では、持続可能性へ大きな需要を作るのは非常に大変で協力が必要でしょう。しかし、既に示したように私たちは出来る事があります。15年間以上、CIはスターバックスと共に彼らのサプライチェーンにおいて、倫理的な調達へ向けて協働してきました。そして今日、彼らの調達する99%のコーヒーは、長期的に生産性を改善させるような認証された持続可能性基準に則ったものです。
CIの専門家、シニア戦略アドバイザー、バンビ・セムロックは言います。「ここまでに至った私たちは、今後コーヒー業界全体をどのように持続可能へ転換していくか、より大きな枠組みで考えました。それが”サステナブル・コーヒー・チャレンジ”の開始へとつながったのです。」
Q: そうですか。チャレンジの状況はいかがですか?
A: 2015年の12月に開始して以来、「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」はルワンダとメキシコの政府を含む48組織を含むまでに成長しました。
「“ひとつのコーヒー豆の袋が買われるごとに一本のコーヒーの木を植える”というスターバックスのキャンペーンから、“2025年までに持続可能な調達を100%にする”というコミットメントを発表したファーマーズ・ブラザース、農業生産の改善や、融資プログラムの提供、そして生産者のキャパシティとスキルの改善を約束しているルワンダやメキシコの政府まで、それぞれが大きな影響を作るためにさまざまな努力をしています。」とセムロックは言います。
2016年10月5日、新しいパートナーがサステナブル・コーヒー・チャレンジに参加しました。それは、マクドナルドです。マクドナルドは2020年までに全てのコーヒーを持続可能な調達にする計画をしていると発表しました。そして、ゴールを達成するために、サステナブルフレームワークをCIとサステナブルコーヒーチャレンジと共に話し合うワーキンググループにも参加しています。マクドナルドの事業サイズとスケール、彼らの素晴らしい世界的なブランドの認識、そして行動は、コーヒー分野において多大な影響を与えるでしょう。マクドナルドはその旅路を世界にシェアするだけでなく、何十億もの顧客になぜ持続可能性が問題なのかを教えることになります。マクドナルドの行動の影響は本当の変化を作る中で大きな助けとなり、極めて重要となるでしょう。
Q: それは素晴らしいですね。私たちには何ができるでしょうか?
A: 注意を払いましょう。買う前にラベルを見て、注意して購入しましょう。あなたのお気に入りのコーヒーショップや小売業者がどのように持続可能性に関与しているか探し出しましょう。sustaincoffee.orgへ行って、サステナブルコーヒーチャレンジのメンバーを探し出し、そして彼らの努力を支え、助けていきましょう。
投稿 CIエディトリアル・ディレクター、ブルーノ・ヴァンダ―・ヴェルデ
翻訳協力 東海林優衣
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