湿地について知っておきたい5つのこと



By Jorge Ramos, Ph.D.

本ブログ記事は、CI本部の "5 things you should know about wetlands" を日本向けに翻訳・編集したものです。

湿地(沼地、泥炭地、その他水で冠水した土地)は、自然な形態で、陸地と水中の生物たちをつないでいます。残念なことに、湿地は、農業や都市開発のために急速に転換されており、これらの生態系が私たち人間を含むさまざまな生物たちに提供できる、生態系サービスが失われています。


世界湿地の日の今日、湿地の持つユニークな役目について、あなたが知らないかもしれない5つの事実をご紹介します。

1.湿地は、周辺地帯の「腎臓」である

私たちの血液から老廃物を抽出し、体液のバランスをとる器官である腎臓と同様に、湿地は、周囲を流れる水をきれいにし、大規模な洪水を軽減し、地下の帯水層を再涵養(水を貯める)する能力を持っています。湿地はまた、漁場にもなり、また、木材資源を提供し、生物多様性の生息地にもなります。また、台風やハリケーンなど、極端な気象から沿岸地域社会を保護することができます。湿地はまた、エコツーリズムにとって魅力的な目的地にもなり、世界各地の地域経済の収益を支えています。

2.湿地は気候変動の影響を緩和する

マングローブ林などの沿岸湿地は、植物とその下の堆積物に大量の炭素(ブルーカーボン)を隔離して貯蔵しています。 「ブルーカーボン」は、海洋や沿岸の生態系によって、自然に貯蔵されている炭素であるため、その名前が付けられています。ブルーカーボンの生態系には、多くの炭素が含まれています。たとえば、マングローブ林がある特定の地域には、同じ面積の森林の最大10倍の炭素を貯蔵することができます。ブルーカーボンは、二酸化炭素(CO2)として大気中に放出されることで、気候変動の主な要因となるので、気候変動の影響を緩和するためには、ブルーカーボンを放出させないよう、湿地を守り、炭素を留めておくことが重要です。

3.湿地は生物多様性豊かな生き物たちの生息地

湿地には、水文学的に変化していく生態系を生き抜き、進化してきた世界でも最もユニークな種が多く生息しています。ワニ目のアリゲーター、クロコダイル、ネズミ科のマスクラット、ネズミ目のヌートリア、様々な魚種、また、マガモや、ガン、サギをはじめとする何百もの鳥類も湿地に生息しています。アメリカに生息する800の保護種の渡り鳥の半数以上が湿地で過ごします。そして、湿地の植物も季節的に冠水し、塩水も含まれる状態を乗り越えるためにとてもユニークな進化を遂げています。淡水湿地のガマや沿岸湿地のマングローブの種が良い例です。

4.世界の湿地の多くは劣化している

湿地の多くが水抜きされ、破壊され、農地や、商業、または住居目的の都市開発のために転換されており、脅威にさらされています。沿岸湿地に関しては魚やエビの養殖のために失われています。湿地の破壊は湿地が生み出す生態系サービスに依存している何百万人もの人々の生活にも影響を及ぼします。

5.持続可能な漁業を支援することで湿地を守ることができる

沿岸地域の湿地を養殖から守るために、マングローブ林を養殖池に転換して育てられたエビではなく、持続可能な方法で生産された商品を見つけてみてください。環境に配慮した方法で獲られた水産物についている「MSC認証」、責任のある方法で養殖された水産物についている「ASC認証」が目印です。ぜひサステナブルな商品を普段の生活に取り入れて、私たちにとって、地球にとって大切な湿地を一緒に守っていきましょう!

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