「Deforestation」を何と訳すか 【その1】

 By コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 浦口 あや

ブラジル北部、パラー州で大豆畑を作るために燃やされた森 © Flavio Forner


「De + forest(a) +ion」 

とても淡々とした言葉です。deforestationは、私たちが森から得ている恵みを得られなくする現象であり、そこに生きる野生生物が生息地を失う現象であり、大量に二酸化炭素が排出される現象です。目にすれば悲しくなり、全力で止めたくなる現象なのですが、このdeforestationという言葉自体に色はありません。


deforestationを何と訳すか? 私は、日本国内でこのことを最も真剣に考えている人間の1人だと思います(他にいれば)。


無理に日本語にするならば「非森林化」ですが、まず根付かないでしょう。しかし、それ以外の言葉は、どれもdeforestationに色をつけてしまいます。その色は、時に誤解を生み、理解を妨げます。


よく目にするのが「伐採」です。「伐採」と聞いて、皆さんは何を想像しますか?それはdeforestationという現象そのものですか?チェーンソーで木を切り倒す光景が目に浮かんだのではないでしょうか。違法木材の取り引きで富を得ている悪人まで思い浮かべた人もいるかもしれません。新聞ですら、元々はdeforestationという単語で表されていたであろう場面で「森林伐採」が使われていることがあります。


そう訳してしまう気持ちは分かります。分かりますが、その記事を読んだ数多くの読者は、伐採の光景を頭に浮かべながら記事を読んだことでしょう。しかし、deforestationはその大部分が農地への転換が原因であり、そのイメージは誤りである確率が高いです。Deforestationを伐採と訳すのはNGです。


熱帯林のdeforestationは複雑です。私も説明する時には、さもよく知っているかのように、単純化して話しますが、まだまだ知らないことだらけです。イメージの湧きやすい言葉(例えば「伐採」)は便利で、ある程度は、例えば例示する際になど、必要だと思います。しかし、それが全てであるという間違ったイメージを与えてはいけないと思うのです。


Deforestationを何と訳すか。次回に続きます。


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