2007年12月11日火曜日

【COP13】「レジリアンス」と森林保全

バン・キムン国連事務総長、イヴォ・デ・ボア UNFCCC事務局長、スターン・レビューの著者ニコラス・スターン卿、さらには途上国の大臣などによるパネルディスカッションがUNDP主催で開かれました。これは、UNDPが毎年発行している「人間開発報告書」が、今年は気候変動をメインテーマにしていたことから、「気候変動と人間開発」と題して企画されたものです。 「気候変動は、もはや科学者の問題でもなければ、環境問題でもない。経済問題なのです。」という、スターン卿の話は、スターン・レビュー発表から1年以上経ったにも関わらず超満員の聴衆を惹き付けました。まったく、その通りで、個人的には、生物多様性も既に「経済問題」になっていると思っているので、今年のG8サミットでドイツが表明した「生物多様性版スターン・レビュー」が、どのような内容になってくるのか、大いに期待したいと思ってます。 スターン卿の話を受けて、特に途上国からのスピーカーが強調したのは、「気候変動に対する社会・コミュニティの『つよさ』(COP用語では、「Resilience」と言っています。今後、ひそかに注目を浴びる用語になると思います)」の重要性でした。既に、どのようなCO2削減の措置が(仮に)取られたとしても、温度上昇が起こるのは、IPCCでも報告されている通りで、現実的な気候変動にどう対応していくのか(「適応=Adaptation」と呼んでいる)、途上国を中心とした社会やコミュニティが、(日本の地方政治用語ていうところの)「しなやかさ」を持って対応していくのか、というのがレジリアンスの考え方です。これは非常に重要なコンセプトで、まさに「気候変動が現実化した世界」の中で、途上国の貧困や開発を考えていく上で、避けて通れない、まさに「経済問題」へ対応するためのコンセプトといえます。 CIでは、社会のレジリアンスのコンセプトを更に拡大し、「生態系のレジリアンス」の重要性を訴えています。今回のCOPでは、Makikoが書いたとおり、CIも10以上のサイドイベントを主催または参加してるのですが、「生物多様性保全」がミッションのNGOが今年、ここまで気候変動COPに参画しているのも、まさに「エコロジカル・レジリアンス」の強化が、気候変動対策、貧困削減、持続可能な発展に不可欠であるとの考え方からです。 上記の議論を受け、スターン卿が言ったのは、「レジリアンスを高めていくためにどうしても必要なのは森林保全であり、そのためには国際社会が協力して大規模(資金規模として)に取り組む必要がある、と発言したのは、まさに「わが意を得たり!」という感じでした。 まだまだ、「生物多様性」が、気候変動議論のメインストリームに入ってきていないのも事実ですが、今後は、気候変動と生物多様性というふたつの地球規模問題が、より融合(対応策として)していくことを予感しています。 【写真は、超満員のUNDPサイドイベント会場の様子】 (by Yasu)

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