【COP13】大詰めを迎えつつも休会中
ポスト京都の交渉行程を規定する「バリ・ロードマップ」の交渉は、どうやら大詰めを迎えつつあるようですが、会場にいると返って情報が入ってきません。ネットでニュースを見た限りでは、最新の議長案からは、アメリカの主張を入れて、先進国の2020年までの削減目標(25~40%削減)が削除されており、日米などは評価しているみたいですが、2050年までに全世界で半減という長期目標は残されているために、逆に途上国が反発しているという状況のようです。まだまだ妥結点には届いていない模様で、本会議も休会に入ってしまいました。このまま、いつ再開されるとも分からないので、あきらめて宿舎に戻ってきました。
明朝には、交渉結果が出てることと思いますが、今年のブログは、この回で最後になると思います。
今回のブログは、昨年までほど、交渉内容をフォローしていないものとなりました。これは、ポスト京都、REDD、適応、技術移転、資金メカニズムなど、焦点となった議題が多岐に渡っており全てをフォローできないこと、昨年以前と比べ物にならないほどメディアの関心も高くネットも含めて逐一交渉過程がいろいろなルートで報告・報道されていること、また僕自身は2週目からの参加だったために交渉全体の流れをつかみきれないままだったことに起因しています。
その一方で、これまでは「温暖化マフィア」と呼ばれるインサイダーによる会議という側面があったCOPが、今年は、参加者の裾野がよくも悪くも広がり、より多岐にわたるイベントや関心事、議論などが百花繚乱だったこともあり、COPのメインの交渉とは直接関わらない側面を中心にレポートしてみたのですが、いかがでしたでしょうか。
今回のCOPでは、REDDが大きな旋風を巻き起こしたのが、やはり一番印象に残りました。REDDの取り扱いがどのようになるか、まだ具体像は見えてこないのも事実ですが、国際社会が森林保全に向けて大きく舵を切った歴史的会議であることは間違いないと思います。
一方で、日本政府のあいまいさが、いつもにも増して際立った会議だったようにも思います。特に欧州の知識人などが批判していたように、「世界全体で大幅な削減が必要」「全ての排出国が参加する枠組みが必要」など、他人本位で、主体性のない主張ばかりが目立ちました。来年、アメリカの政権が変われば、アル・ゴア氏のいうようにアメリカのポジションが大きく転換される可能性もあるわけですが、そのとき日本はどうするんでしょうね?排出権取引も先送りを決めたみたいだし。。。
来年は、常夏のバリから打って変わって、厳寒のポーランドでの開催となります。それまでに、日本政府の対応も少しは危機意識を持ったものになってればと思うのですが。。。
【写真は、エクアドル・アンデスの雲霧林。独特の気候、地形、標高、緯度、海流などにより常に霧がかかっている、この地方独特の森林形態です】
(by Yasu)
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