UNFCCCでのCBD

日本国内では、来年の生物多様性条約COP10の関心が高いですが、生物多様性とUNFCCCは別のものとして取り扱われているという印象を持っています。京都議定書の今後について、先進国の排出削減のコミットメントについて、などの議論が大きく扱われていますが、REDD+もCOP15の大きな課題の一つです。これまで、生物多様性保全のために生息地の保全が重要とされ、実際の管理が伴わないペーパーパークが多く作られはしても、生物多様性の保全が実際に進まない状況が続いているなか、森林の減少や劣化にともなう排出を削減させるととともに、生態系を再生させることも含むREDD+は、CBDの目的に直接関わる重要な仕組みです。細かなことはこれからさらに議論していく必要がありますが、今回の会議で大きく進展しそうな状況であることは、非常にうれしく思っています。

このREDD+が前面に出る会議で、CBDがサイドイベントを開催し、気候変動対策と生物多様性保全の相乗効果を高めるための課題について議論しました。内容は、CIスタッフも参画しているAHTEG(Ad Hoc Technical Expert Group)の報告書にまとめられています。

このサイドイベントの主なメッセージをまとめると:
-生物多様性を考慮せずに気候変動の目標解決は不可能
-気候変動対策における保護地域の重要性を強調
-AHTEGの取組は、生物多様性のメッセージを気候変動交渉に届ける手段
-適切なセーフガード(生態系改変などへの予防策)が盛り込まれないでREDD+が推進されると、生物多様性へのリスクが高まる可能性を指摘

REDD+を、気候変動の取組として生物多様性保全策と区別してしまうのではなく、生物多様性条約の有効な実施手段の一つとして、来年のCBD COP10の流れの中で、充実した建設的な議論がなされることを願っています。

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