フィランソロピー協会,「自然資本を基盤として経済~RIO+20以降の環境経営~」に参加して。
こんにちは。インターンの藤田です。
先日、日本フィランソロピー協会の定例セミナーに参加してきました。
日本フィランソロピー協会とは企業の社会貢献活動を中心に、従業員および一般市民のボランティア・マインド・寄付文化を醸成するためさまざまな活動を行っている公益法人です。
日本フィランソロピー協会とは企業の社会貢献活動を中心に、従業員および一般市民のボランティア・マインド・寄付文化を醸成するためさまざまな活動を行っている公益法人です。
講演者、足立直樹氏のお話は、「自然資本を基盤とした経済 ~RIO+20以降の環境経営~」についてでした。主な内容は「”自然資本”という考え方をどのようにして企業経営に取り組み、生物多様性をマネジメントして持続可能な社会を構築するか。」ということでした。 以下に講演内容をご紹介したいと思います。
自然資本とは?
自然資本の「資本」とは、そもそも企業などの活動の元手となるもののことです。
人的資本、貨幣資本、社会資本・・・様々な資本が存在します。
その中で「自然資本」とは、清浄な水を作り出す森林や生態系サービスだったり、豊かな海産物を与えてくれる海であったり、全ての自然を含有した生態系のことであると言えます。
企業活動と自然資本との関係は切っても切り離せません。
その中で「自然資本」とは、清浄な水を作り出す森林や生態系サービスだったり、豊かな海産物を与えてくれる海であったり、全ての自然を含有した生態系のことであると言えます。
企業活動と自然資本との関係は切っても切り離せません。
企業の活動が大きくなればなるほど、生態系サービスや生物多様性の恵みに依存していき、逆に、生物多様性に関して、企業は重要なインパクトを持っています。
このように大きな重要性のある自然資本ですが、今まで目が向けられなかった理由のひとつとして「自然資本の計測がされていない」ことが上げられます。つまり「どのくらいあるかわからない物を管理できない」と思われていたのです。
RIO+20における自然資本
そんな折、今年の6月に開催されたRIO+20のサブイベントでは「自然資本」が大きく取り上げられ、「自然資本宣言」が金融機関によって宣言されました。
自然資本宣言は金融機関が主体となって宣言されました。金融機関と自然資本というのは直接的な関わりが希薄に思われますが、間接的にはあらゆる企業の事業に融資という形で関与します。つまり、金融機関が「自然資本に対して、持続可能な社会にするための重要な要素と認識して、尊重する」という宣言することによって、より持続可能な事業を推進していくことになるのです。
このように大きな重要性のある自然資本ですが、今まで目が向けられなかった理由のひとつとして「自然資本の計測がされていない」ことが上げられます。つまり「どのくらいあるかわからない物を管理できない」と思われていたのです。
RIO+20における自然資本
そんな折、今年の6月に開催されたRIO+20のサブイベントでは「自然資本」が大きく取り上げられ、「自然資本宣言」が金融機関によって宣言されました。
自然資本宣言は金融機関が主体となって宣言されました。金融機関と自然資本というのは直接的な関わりが希薄に思われますが、間接的にはあらゆる企業の事業に融資という形で関与します。つまり、金融機関が「自然資本に対して、持続可能な社会にするための重要な要素と認識して、尊重する」という宣言することによって、より持続可能な事業を推進していくことになるのです。
GDPに代わる指標,WAVES
さて、そんな自然資本ですが、近年この自然資本を計測しようという取り組みが高まっています。TEEBもそのひとつです。TEEB(The Economics of Ecosystems and Biodiversity)とは、「経済学的な観点から生物多様性の喪失について世界レベルで研究された成果を取りまとめたもの」です。つまり、企業からは「どこに自分たちの活動によって負荷がかかっているのか」ということのおおよそを知ることができるそうです。
さて、そんな自然資本ですが、近年この自然資本を計測しようという取り組みが高まっています。TEEBもそのひとつです。TEEB(The Economics of Ecosystems and Biodiversity)とは、「経済学的な観点から生物多様性の喪失について世界レベルで研究された成果を取りまとめたもの」です。つまり、企業からは「どこに自分たちの活動によって負荷がかかっているのか」ということのおおよそを知ることができるそうです。
また、WAVES(生態系価値評価;Wealth Accounting and the Valuation of Ecosystem Services)という世界銀行が発表したパートーナーシップがあり、自然資本を経済的な価値に換算して、自然環境をよりよい形で保全し、持続可能な社会を創出するという指標が存在します。足立氏によるとイギリスがこの「自然資本」という考え方に熱心に取り組んでいるそうです。
PUMAの環境損益計算書
さて、すでに自然資本に着目した経営を始めている企業があります。
靴製品で馴染みの深いPUMAです。PUMAは環境損益計算書という、独自に自社の製品がどのように環境に対して負荷を与えているのかを綿密に計算し、製品の最深部にある自然資本に対する影響を経済的な形で評価したおそらく世界で初めての企業だそうです。
最深部というのは、例えば、靴製品には牛皮が使用されますが、牛皮のもとである牛を放牧するのにどれほどの芝が消費されたか、水が消費されたか、さらに芝を育てるためにどれほどの水が使用され…といったことです。この環境損益計算書には2010年の環境損益は1億4500万€であったとされているそうです。
企業を動かす仕組み
どのようにすれば自然資本保全に配慮した企業を生み出すことができるのでしょうか。
その方法として、以下の4つを挙げられました。
①
経済メカニズム・市場の創出
環境を市場で扱えるような仕組みを創出することであり、より経済的価値を環境に付加させるということです
②
政府調達方針の変更
公的事業に用いられる資材などを自然資本に配慮することによって企業に浸透していく方法です。
③
グリーンラベルの統一化
現在様々な環境に配慮していることを示すラベルが存在しますが、その無数にあるラベルを一貫した基準で統一化し、その普及をはかることで消費者にとってもわかりやすくする方法です。
④
補助金、税制改革
その名の通り、補助金や環境税の導入といった国家の働きかけにより、企業に環境保全のインセンティブと規制を与えるものです。
今回の講演では、持続可能な資本に対しての企業の将来的にはどのように取り組むべきかといった主題でしたが、最後の質疑応答の際に「自然資本の保全に配慮した、持続可能な原材料をレジームや規制ができ、他の企業と競合する前に獲得しなければならない」ということをおっしゃられており、若干疑問の残るところではありますが、これからの日本の環境経営にとって大変重要な課題であると感じました。
最後に…
遅くなりましたが、最後に簡単に自己紹介をさせて頂きます。
9月から12月までインターンとしてCIにお世話になっています。
大学院生で 、主に環境政策,環境NGOの活動を中心に研究しています。インターンが始まりはや1ヶ月がたとうとしていますが、やはり書籍や活動報告の中には見られないNGO活動の現場をたくさん見せていただいています。
よろしくお願い致します。