【UNFCCC COP18】:Forest Day: 「緑の気候基金」と森林

  気候変動プログラム・ディレクターのYです。2日前となりますが、毎年恒例、交渉期間中日の日曜日に開催される「Forest Day 6」に参加してきました。世界中から森林に関わる様々なセクターの人々が参加して行われるイベントです。政府や国際機関のハイレベルなポジションの人々を迎えつつ、参加型のセッションで活発な議論を促進するイベントとして、森林関係の人々にとっては外せないイベントの一つです。

 午前中は、「森林減少の要因」のセッションに参加しました。各大陸で森林減少の要因に大きな違いがあり、そのため全く違う対策を取る必要がある事など、興味深い発表を聞く事ができました。その後、参加者全員で近くの人たちと「森林減少の要因」について協議し、発表する参加型のセッションに発展。国際的な需要による森林減少など「需要と供給」のテーマが多く提言されていたので、私は地元の人々と政府双方が参加して「森林減少の要因」を参加型で協議し、合意形成するプロセスの重要性を指摘しました。森林減少の要因が正確に確定されなければ、対応策が間違ってしまうためです。

【GEF総裁 石井氏とノルウェイ環境省長官】
 午後は、「REDD+のファイナンス・ギャップ」のセッションに参加しました。2か月前に地球環境ファシリティ(GEF)総裁に就任した、石井菜穂子氏やノルウェイ環境省長官や企業トップとともに登壇。GEFは、「緑の気候基金(GCF)」の設立を運営する機関として注目を集めており、幅広い環境分野に資金提供してきたことから、REDD+への資金提供への期待が高まっています。石井氏からは、気候変動問題に対処するための資金不足や公的・民間資金のコーディネーションの重要性、また長期的な課題である森林問題に立ち向かうためには、短期的な計画のみでは達成が難しいとの指摘がありました。森林が持つ様々な価値、またその経済価値を認めるスキームである生態系サービスへの支払い(PES)等の重要性も言及されました。
 興味深い発言の一つは、プルーデンシャル・アジア会長からの洞察でした。金融機関の専門家として森林問題に個人的に興味を持つ彼からは、政府や企業をはじめ、多様なステークホルダーが「REDD+」や「森林減少問題」に取り組もうとするとき、それぞれがもつ「Perspective(とらえ方)」が全く違う事が最大の課題であると指摘されました。基本的な指摘ですが、過去に企業でマーケティングに関わってきた自分にとっては、うなずかずにいられないポイントでした。同じ言葉を語っていても、理解度や向きあい方が違う事を理解し、徹底的に議論し、相違点を乗り越えない限り、物事が成就しないのはマーケティングの世界でも一緒です。まさに、REDD+の資金問題で見られる現象であり、自分が克服したいと思っている点でもあります。セッション終了後、お声掛けし、さらに有益な意見交換をさせて頂きました。このように多くの人々と自由に交流できるのが、Forest Dayの魅力の一つです。

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