現役大学院生がきく”CIジャパンスタッフの「世界を舞台に働く」”とは 第4回目 磯部 麻子 Vol.3
こんにちは。CIインターンの菊池です。
CIジャパン広報の磯部麻子さんのインタビューの最終回Vol3です!(バックナンバーを読んでない方はこちら→ Vol.1、 Vol.2)
最終回となるVol.3では、磯部さんに未来のことについて伺ってみました!
CIニューカレドニアのスタッフと |
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磯部麻子 Asako Isobe
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 広報担当、マーケティング&コミュニケーション シニアコーディネーター
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菊池:これからCIで働いていく中での、磯部さんの抱負や夢などはありますか?
磯部: CIは、型にはめられることがなく、やりたいことは手を上げれば誰も止めない、自主性が大きく左右する職場なので、常にプレッシャーもありますが、組織として常にオープンです。オンラインのスキルアップコースが用意されていたり、グローバルな知見共有のウェビナーも開催されているので、望めば様々なツールを使って、スキルアップしていけます。子供の頃からいろんな経験をしたいと思ってずっと生きてきた中で、こうした環境へ身をおけるのはとてもありがたいことだと思っています。子供が生まれたことで、より教育に関心を持つようになりました。出産後に知ったモンテッソーリという教育メソッドがあります。イタリアのマリア・モンテッソーリという方が確立した子供の生命教育と言われるもので、具体物に触れながら学ぶための独特の教具があるのですが、その”具体物に触れる”というモンテッソーリ的な意味で、自然に触れながら、サステナブルな感性を育むような教育プログラムが作れたら素晴らしいなと考えているので、それが夢ですね。自然に優しい人になるためには自然に触れることだと思うので。
菊池:気候変動や生物多様性の保全など、世界の抱えている問題は、非常にシビアだと感じています。今後CIジャパンや日本の社会はどこに重点を置き、どのように世界に働きかけてゆくべきだと思いますか?
磯部:それを考えるのは、CIジャパンが、CIのグローバルな位置づけで、何を期待されているかを考えることと似ています。気候変動のような地球規模の課題は惑星に暮らすすべての人々にとっての問題ですが、その解決のために何ができるのか、それぞれの立場で考えるとき、私達、日本が国際社会でどのような働きが期待されているか?CIジャパンにおいては、その一つは資金調達です。日本は、国際的に見てまだまだ経済力のある国ですから、私たちは、国内から資金を調達して環境保全へ投資するという大事なミッションがあります。もちろん、資金調達だけではなく、例えば「自然資本プロトコル」のような、自然生態系サービスがもたらしている経済社会への”価値”を企業会計に組み込むフレームワークがありますが、そうしたフレームワークを利用して、企業の新しい経済システムへの導入をご支援することで、影響力の大きな企業のあり方を変容するためのお手伝いをすることもできます。資金調達って言うと、なんだか夢がないように感じますが、保全活動にお金がかかるのは事実です。
グローバルな視点から見た、より良い社会へ向けた発信が、政府だけでなく、企業からも増えれば、人々の意識へ意識変容を促せるのではないかと思うので、そうした流れを期待しています。日本の社会は、海外の資源に依存して成り立っているのだ、ということをもっと責任を持って考られるようになるには、それらのつながりを伝える努力が必要なのだと思います。
菊池;磯部さんはCIで長く働かれていますが、その間に世界や日本の環境への意識が変わってきたと感じますか?
磯部:変わっていると思います。SDGsを筆頭に、 ビジネスの核にサステナビリティを据えた組織戦略を取る企業は増えているし、教育現場の学習内容も変わってきていると思います。私が子供の頃は、環境をテーマにした授業はほとんどなかったように思いますが、今は小学生でも”生物多様性”という言葉を知っているような時代なので、問題に気づく機会も増えています。
日本では、社会におけるNGO自体の存在感が欧米ほど大きくなくて、未だに活動は慈善事業で無給のように勘違いされている方もいるくらいなので、若い方の就職先の候補にはなりにくいと思いますが、状況は変わっているように感じます。NGOの追求する「利益」は、自然と社会コミュティどちらにももたらされる益です。CIは、10年以上損保ジャパン日本興亜環境財団(※現SOMPO環境財団)を通じて毎年優秀な学生さんにインターンに来て頂いているのですが、以前は一部の非常に意識の高い学生さんが集まっていたのが、最近は、NGOでのインターン自体が当たり前の選択肢の一つになってきているように感じています。
自分も、CIへの就職の話を親に話したときは、ピンとこなかったようで「何をするんだ?」と言われました。この業界は、アカデミックなバックグランドの方が多いのも事実ですが、初めから環境系の仕事に就いている必要はなくて、自身の専門性や得意分野を磨いていくことで、NGOにおいては、様々な貢献ができます。保全事業の核は「科学」であり、その実施は科学者たちであるかもしれませんが、組織としてミッションを達成するためには、パートナーシップの構築やブランディングも大切ですし、経理もITも必要です。CIは、想いと専門性があれば、誰でも入るチャンスがあります。そもそも私のようなあっちこっち行ってきた人間が、こうしたNGOで仕事をしているということ自体が良い例ですね。笑
だから、確実に世の中は変わってきているんじゃないかと思います。
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いかがでしたでしょうか。
vol1~vol3に渡って広報担当の磯部麻子さんをインタビューしました。
広報という仕事柄、私たちも磯部さんの発信を見ることは非常に多いはずなのですが、一方で、それを作っている磯部さんがどういう人なのか知ることのできる機会はほとんどないんですよね。今回このようにインタビューができて、記事として磯部さんの生き方や想いを皆様にご紹介できることを嬉しく思っています。
仕事と子育ての両立や、自分に自信をつけること、自分の価値観にあった生き方をすることなど、磯部さんが実現しようとしていることは、今の社会でたくさんの人が実現しようと試行錯誤していることと重なっているのではないでしょうか。このインタビューがそんな皆さんの生き方にも、何かよいヒントになることを願っています。
お読み頂きありがとうございました!
現役大学院生がきく”CIジャパンスタッフの「世界を舞台に働く」”とは
次回もぜひお付き合いください!
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