父から子へ受け継がれるインドネシアの宝もの


インドネシアの西パプアにあるバーズヘッドシースケープのキラキラと輝く海は、この地球上で最も海洋生物多様性に優れている場所です。ジンベイザメ、マンタ、ウミガメなどの海の象徴的な生物をはじめ、ここでしか見ることのできない70種以上の固有のサンゴ礁や熱帯魚なども生息しています。また、この海の豊かさが、沿岸地域で暮らす76万人の人々に食料や収入の機会をもたらしています。

©Conservation International

しかし、10年ほど前まで、この豊かな海洋環境は荒廃の危機に瀕していました。規制のない商業漁業や密猟、ダイナマイト漁などの違法行為により、一部の漁業では、最大90%も漁獲量が減少しただけではなく、地元の人々の生活は一変し、伝統も失われました。

コンサベーション・インターナショナル(CI)は、2004年からこの地域で地元コミュニティや政府、非営利団体と協力して、豊かな海を取り戻すために取り組んでいます。現在、魚の個体数は回復し、サメやクジラ、エイたちが戻ってきました。密猟は90%減少し、サンゴも回復しました。そして、地元の人々の教育や食料へのアクセスも改善しました。CIの活動は、自然保護を通じて人々の生活を支え、さらに次世代や未来へ向けて受け継がれています。

ロナルドとヴァレン(©CI/photo by John Martin)

このバーズヘッドシースケープで、サンゴ礁を見守り続ける親子がいます。ロナルドとヴァレンです。父ロナルドは、地元の漁師からサンゴ礁の科学者に転身し、現在はCIのスタッフとして活躍しています。ロナルドは息子のヴァレンに、ほんの少し前にこの豊かな海がどのように破壊されてしまったのか、そしてコミュニティを中心にどのように回復することができたのかを話しています。ヴァレンの世代のために「ホーム」である場所を守ることの大切さと、コミュニティ主導の取り組みが、いかに保全活動を成功に導くかを伝え続けています。

ヴァレンたちが見守る海の様子はこちらからご覧ください。(360度動画)




冒頭写真:バーズヘッドシースケープのサンゴ礁(©Burt Jones and Maurine Shimlock)


 


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