ラベルが語る自然への思いやり
©︎Benjamin Drummond |
みなさんこんにちは。CIジャパンインターンの井原祥太です。
みなさんは「認証ラベル」を目にしたことがあるでしょうか?
例えば「国際フェアトレード認証ラベル」。
- 過剰な漁獲を行わず、資源を枯渇させない
- 漁業が依存する生態系の構造、多様性、生産力等を維持できる形で漁業を行う
- 地域や国内、国際的なルールを尊重し、また持続可能な資源利用のための管理シス テムや制度を有する
2つ目は、FSC® (Forest Stewardship Council®)、森林管理協議会です。
これも分かりやすいですね、森林に関するラベルです。FSCは、管理や伐採が環境や地域社会に配慮して行われている森林の認証を運営しています。生物多様性の喪失や森林伐採を背景に、環境保全の点から見ても適切で、社会的な利益に叶い、経済的にも継続可能な森林管理を世界に広めることを使命としています。FSCは以下の原則を基準に認証を行なっています。
- 法律や国際的な取り決めを守っている
- 労働者の権利や安全が守られている
- 先住民族の権利を尊重している
- 地域社会の権利を守り、地域社会と良好な関係を保っている
- 森林のもたらす多様な恵みを大切に活かして使っている
- 環境を守り、悪影響を抑えている
- 森林管理を適切に計画している
- 管理計画の実施状況を定期的にチェックしている
- 保護すべき価値のある森などを守っている
- 管理活動を適切に実施している
では、実際に上の2つの認証ラベル商品を取り扱い、それを通じた自然資本保全活動を行っているイオンの取り組み事例を見てみたいと思います。
イオンは、国内外に約22,000店舗を構え、昨年は8兆5,000億円もの売上高を記録した日本最大級の小売業です。皆さんのお近くにもイオンのお店があるのではないでしょうか。イオンの事業は農産・水産・林産物などの生態系サービスなしには成り立ちません。持続的に原材料を調達することが事業継続には不可避であるため、イオンは自然資本・生物多様性保全に着手しています。
2014年には、「持続可能な調達原則」を策定し、イオン独自の基準での原材料の調達に乗り出しました。違法な取引・採取・漁獲に与しない、再生不可能な資源の利用を最小限にする、原材料の流通経路を明確にする、また、保護価値の高い森林の破壊を防止することが掲げられています。この行動指針に則り、行われたのが認証ラベルの導入です。例えば、(以下、種類と品目に関する数字は全て2020年2月末時点のもの)
・MSC認証を受けた25魚種、43品目を販売しています。これは日本の小売業最多数です。
MSCの認証商品を集めた「フィッシュバトン」コーナー(イオンスタイル板橋前野町)
(イオンサステナビリティデータブック 2020 p.34より)
(イオンサステナビリティデータブック 2020 p.34より)
・FSC認証紙を使用したノートなどは2008年から販売し、80品目に到達しています。 値札やタグ、パッケージ、段ボールの一部など、使用頻度の高い資材にも認証の素材を使用しています。
・2009年、FSC認証を受けた国産木材を使用しミニストップ店舗を建設。店舗数は284に達しました。
日頃私たちが消費する食べ物やモノは、もとを辿れば、生き物として暮らしていました。そんな生命をありがたく感じるのは素晴らしいことであると同時に、できるだけ彼らが暮らす環境を破壊しないように配慮することもまた大事であると思います。消費者である私たちの日々の生活は環境破壊とは決して無縁ではありません。ご紹介したように、認証ラベルは環境に配慮した商品に貼られています。その商品を買うことは消費者の自由であり、間接的ではあるにせよ、環境への気配りを表します。みなさんも今後の生活に少しばかりの思いやりを傾けてみてはいかがでしょうか?
次回はいよいよ最後の記事になります!これからの日本の自然資本経営について考えるイベントに参加し、何を学んだかを余す所なくお伝えします!
お見逃しなく!!
井原祥太
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