2006年11月17日金曜日

ハイレベル・セグメント始まる

15日からは、いよいよハイレベル・セグメント(閣僚級会合)が始まりました。今回のCOPでは、森林破壊防止の他、炭素回収・貯留(CCS)、2013年以降の先進国の削減目標(3.9条に関する特別作業部会AWGワークショップ)、長期的な協力体制に関するダイアログなど、重要な議題が目白押しなのですが、基本的にこのCOP中に結論を得て合意するスケジュールでないため、前半は、のんびりというか先延ばし感が感じられました。しかし、このままでは、何も意味のあるアウトプットが出ないのではという危機感からか、ハイレベル協議が議論の推進剤になることが期待されています。

☆ Kofi ☆

ハイレベル・セグメントは、国連事務総長を2期10年務めたKofi Ananの基調講演で始まりました。総会場は、多数の立ち見が出る状況でした(Kofiは、アフリカでは絶大なる人気を誇っています)。短期間とは言え国連に身を置いたものとしても、どのような話があるか期待して聞いたのですが、正直、スピーチは普通でした。ただ、「全ての人が、将来に向けて希望を持って生きていけるようにしなければならない」という言葉は、なぜ気候変動が問題なのかの本質を示していたと思います。日本にいると、夏が毎年暑くなってるとか、台風の上陸数が増えてるとか、そのうち日本もマラリア汚染地域になるとか、あるいはシロクマが北極圏の氷が減っていることで絶滅危機にあるなどが、気候変動のインパクトとしてよく報道されますが、気候変動によって一番インパクトを受けるのは、途上国、しかも最貧国の人達です。しかも、気候変動の原因であるCO2は、ほとんど出していないのだから皮肉です。

その意味では、CDMの持続可能な開発への貢献や、開発と気候変動問題のリンク、環境倫理などが、特にサイドイベントで大きな盛り上がりを見せているのは当然の流れであり、今後の条約の行方に大きな影響を与えるようになるだろうと期待したいです。

☆ スターン・レポート ☆

Kofiと並んで、この日の主役は、このCOP中ずっと話題のスターン・レポートの著者、ニコラス・スターン卿でした。2週間前に発表されたスターン・レポートは、英国政府の委託で、気候変動の経済的インパクトを分析したもので、気候を安定化させるための行動にかかる費用は、全世界の総GDPの1%ながら、行動しなかった場合の将来的な経済的損失は、5~20%にのぼるというもので、「気候変動は、世界が経験した最大の”市場の失敗”である」と締めくくっています。

条約が締結されてから14年経ちましたが、国際社会は残念ながら実質的な成果をあげる事が出来ていません。(この間、日本はGHG排出量を6%減らす(2012年までに)はずが、逆に8%増えています。)CDMも立ち上がったけど、まだまだ大きな力になるには改善が必要です。2013年以降の削減目標についても、各国のエゴばかりが目立って、なかなか議論の進展がありません。既に、気候変動は「後戻りできない地点のすぐ手前」まで来ていると言われています。京都議定書に入っていないアメリカを除けば、(一応今でも)世界第二の経済大国である日本が、グローバル・リーダーシップを発揮することを切に期待したいと思います。

☆ CDM紛糾中 ☆

ハイレベル会議に上げるための合意案作りが各議題で急ピッチに進んでいますが、ここに来てCDM関連議題がどうやら紛糾しているようです。ほとんどが非公開協議で進められているので、実際どのような議論がされているのは分からないのですが、政府代表団の人などから洩れてくるところでは、CIにも関係の深い、植林CDMの対象地条件が混乱の原因のひとつになっているようです。そしてもうひとつはCDMだそうです。どうやら、会期最後までもつれそうな様相です。

♪ 今日の無駄話 ♪

今年のCOP/CMPは、アフリカの地域拠点としても機能している国連施設群で開かれています。国連の事務所といっても、まるで大学のキャンパスのようで、低層の建物が、芝生が広がる構内に、点在しています。でも、さすがに国連の拠点施設だけあって、同時通訳施設の整った大会議場も複数あり(ただし、同時通訳レシーバーの多くが故障してますが!)、心配されたほど手狭でもありません。ただ、サイドイベント会場(ICRAF=世界アグロフォレストリー研究所の建物)が少し離れたところにあるのが、やや不便ですが。

【写真は、サイドイベント会場のICRAF構内にあるアグロフォレストリーのデモ植林】

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