収束に向かうのか?!
16日は、各議題においてCOPおよびCMPに上げるための合意文書に向けた公開・非公開の会合がそこかしこで引き続き断続的に行われたようで、植林CDMについてもめてた点も、概ね合意に至ったようです。
☆ 植林CDMの対象地条件 ☆
植林(AR)CDMの対象地となるには、1989年12月31日以前から森林でなかったことが条件となるのですが、CDM理事会が9月の理事会でその証明方法・時期などをさらに厳格化するガイダンスを出してからは、AR分野の人達の間では物議を醸してきました。特に、ARを推進したい国(ブラジルを含む中南米諸国や日本)や人達(ちゃんと生物多様性やコミュニティへの配慮もされた事業である前提では、我々も推進派)の間では、ただでさえ複雑な規則や条件が多くて、投資を阻害してるのに、さらに対象適地を絞り込むこのガイダンスには、疑問の声が上がってました。一方で、EUなど、CO2を吸収するよりも、実質的な排出削減を重視すべきと(表向き)言う国は、なるべくARに条件をいっぱい付けたいということで、紛糾していたわけです。
まだ、手元に最終的な合意文書がないのですが、昨日、断続的に開かれた非公式協議やコンタクト・グループを経て、ようやく「9月に出されたガイダンスは、凍結(Put on hold)し、広くパブリックから意見を受け付けた上で、再検討し、さらに再検討後の修正案もパブリック・コメントに付す」という文言で合意したようです。少なくとも、オンゴーイングのプロジェクトに関しては、対象条件の見直し等をする必要はなくなったようです。先送りといえば先送りですが。。。
☆ ブラジル提案 ☆
前日には、長期的な協力体制に関するダイアログにおいて、ブラジルから「森林破壊からの排出の削減」に関する提案が出されました。その概要は、途上国の森林破壊に起因するCO2の排出を目指し、森林破壊に起因する排出量の「排出率参照値(Reference Emission Rate)」を設定し、一定期間内でそれよりも排出率を下げた場合には、その差分に応じてその国に「インセンティブ」が支払われるというもの。で、その取り組みは自主的なものであって、途上国に将来的にも排出削減を義務付けるものではなく、むしろ積極的な取り組みを「奨励」しようというものです。提案文書自体は、4ページほどのもので、しかもそのほとんどは、「途上国は、削減目標は受け付けない」ことを主張する内容なので、具体的な内容が提案されていません。しかも、「カーボン・プール(すなわち森林)」の管理自体を対象とするのではなく、「あくまで森林伐採に起因する排出量自体」を対象とするという、なんとも分かりにくい内容です。多分、プロジェクト・ベースの取り組み(だけ)ではなく、政策、しかも他の産業促進などの間接的な政策の実施の結果として、森林破壊起因の排出量が減る(すなわち森林破壊が抑制される)」というコンセプトのようです。まだまだ中身は、SBSTAや次回のワークショップで議論されることですが、このような提案が昨年のPNG提案に引き続き、途上国側から出てきたことには意味があると思います。
ただ、「(先進国から)途上国へインセンティブが支払われるべき」としながら、これは「あくまで自主的な取り組み」であって、「先進国の削減目標の達成に寄与するものではない」としているので、先進国の合意がどれだけ得られるか、難しいところかもしれません。今後の議論の行方を見守りたいところです。
☆ 日本の大臣スピーチ ☆
総会では、朝一番で日本の若林環境大臣のスピーチがありました。内容的には、既に報道もされているかと思いますし、特に目新しいものではなかったのですが、スピーチが日本語だったのにはびっくりしました。通常は、国連公用語のどれかで発現やスピーチはされます。まあ、原稿が既にあるので、特に問題は無いですが、ここしばらくは、小池さんや川口さんなど英語が達者な大臣が続いたこともあり、ちょっと目立ってました。
♪ 今日の無駄話 ♪
ナイロビ市内は、多くの途上国と同様、中古車の日本車が沢山走っています。だいたい20年落ちくらいの車が多いようですが、地元の小金持ちの人の間では(一般市民は、車はやはり持てません)、故障が少なくよく走るということで、日本車が人気のようです。乗用車の他にもトラックとかでよく車体に日本語の社名なんかが入ったままのものも多いですね。中古車のブローカーがよっぽどいい商売になるのか、タクシーに乗るたびに運ちゃんから、「いっしょに組んで儲けようぜぃ!」とのお誘いをいただきます。
さて、昨夜の帰り、なんと「救急車両が接近します。道を空けてください。救急車両が接近します。。。」とアナウンスしながら救急車が追い抜いていき(救急車に乗ってる方には失礼ながら)びっくりしてしました!アナウンスくらい録音し直せばいいのに。あれじゃあ、アナウンスの意味も分からないだろうと思うけど、サイレンが鳴ってるから別にアナウンスの必要はないらしいです。そういわれてみれば、わざわざ何でも録音音声でアナウンスする日本もどうかという気がしますが。。。
【写真は、前日のハイレベルセグメントのオープニングでのアナン事務総長のスピーチを待つ本会議場の様子】
☆ 植林CDMの対象地条件 ☆
植林(AR)CDMの対象地となるには、1989年12月31日以前から森林でなかったことが条件となるのですが、CDM理事会が9月の理事会でその証明方法・時期などをさらに厳格化するガイダンスを出してからは、AR分野の人達の間では物議を醸してきました。特に、ARを推進したい国(ブラジルを含む中南米諸国や日本)や人達(ちゃんと生物多様性やコミュニティへの配慮もされた事業である前提では、我々も推進派)の間では、ただでさえ複雑な規則や条件が多くて、投資を阻害してるのに、さらに対象適地を絞り込むこのガイダンスには、疑問の声が上がってました。一方で、EUなど、CO2を吸収するよりも、実質的な排出削減を重視すべきと(表向き)言う国は、なるべくARに条件をいっぱい付けたいということで、紛糾していたわけです。
まだ、手元に最終的な合意文書がないのですが、昨日、断続的に開かれた非公式協議やコンタクト・グループを経て、ようやく「9月に出されたガイダンスは、凍結(Put on hold)し、広くパブリックから意見を受け付けた上で、再検討し、さらに再検討後の修正案もパブリック・コメントに付す」という文言で合意したようです。少なくとも、オンゴーイングのプロジェクトに関しては、対象条件の見直し等をする必要はなくなったようです。先送りといえば先送りですが。。。
☆ ブラジル提案 ☆
前日には、長期的な協力体制に関するダイアログにおいて、ブラジルから「森林破壊からの排出の削減」に関する提案が出されました。その概要は、途上国の森林破壊に起因するCO2の排出を目指し、森林破壊に起因する排出量の「排出率参照値(Reference Emission Rate)」を設定し、一定期間内でそれよりも排出率を下げた場合には、その差分に応じてその国に「インセンティブ」が支払われるというもの。で、その取り組みは自主的なものであって、途上国に将来的にも排出削減を義務付けるものではなく、むしろ積極的な取り組みを「奨励」しようというものです。提案文書自体は、4ページほどのもので、しかもそのほとんどは、「途上国は、削減目標は受け付けない」ことを主張する内容なので、具体的な内容が提案されていません。しかも、「カーボン・プール(すなわち森林)」の管理自体を対象とするのではなく、「あくまで森林伐採に起因する排出量自体」を対象とするという、なんとも分かりにくい内容です。多分、プロジェクト・ベースの取り組み(だけ)ではなく、政策、しかも他の産業促進などの間接的な政策の実施の結果として、森林破壊起因の排出量が減る(すなわち森林破壊が抑制される)」というコンセプトのようです。まだまだ中身は、SBSTAや次回のワークショップで議論されることですが、このような提案が昨年のPNG提案に引き続き、途上国側から出てきたことには意味があると思います。
ただ、「(先進国から)途上国へインセンティブが支払われるべき」としながら、これは「あくまで自主的な取り組み」であって、「先進国の削減目標の達成に寄与するものではない」としているので、先進国の合意がどれだけ得られるか、難しいところかもしれません。今後の議論の行方を見守りたいところです。
☆ 日本の大臣スピーチ ☆
総会では、朝一番で日本の若林環境大臣のスピーチがありました。内容的には、既に報道もされているかと思いますし、特に目新しいものではなかったのですが、スピーチが日本語だったのにはびっくりしました。通常は、国連公用語のどれかで発現やスピーチはされます。まあ、原稿が既にあるので、特に問題は無いですが、ここしばらくは、小池さんや川口さんなど英語が達者な大臣が続いたこともあり、ちょっと目立ってました。
♪ 今日の無駄話 ♪
ナイロビ市内は、多くの途上国と同様、中古車の日本車が沢山走っています。だいたい20年落ちくらいの車が多いようですが、地元の小金持ちの人の間では(一般市民は、車はやはり持てません)、故障が少なくよく走るということで、日本車が人気のようです。乗用車の他にもトラックとかでよく車体に日本語の社名なんかが入ったままのものも多いですね。中古車のブローカーがよっぽどいい商売になるのか、タクシーに乗るたびに運ちゃんから、「いっしょに組んで儲けようぜぃ!」とのお誘いをいただきます。
さて、昨夜の帰り、なんと「救急車両が接近します。道を空けてください。救急車両が接近します。。。」とアナウンスしながら救急車が追い抜いていき(救急車に乗ってる方には失礼ながら)びっくりしてしました!アナウンスくらい録音し直せばいいのに。あれじゃあ、アナウンスの意味も分からないだろうと思うけど、サイレンが鳴ってるから別にアナウンスの必要はないらしいです。そういわれてみれば、わざわざ何でも録音音声でアナウンスする日本もどうかという気がしますが。。。
【写真は、前日のハイレベルセグメントのオープニングでのアナン事務総長のスピーチを待つ本会議場の様子】
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