2011年12月20日火曜日

【COP17】総括プレスリリース

団体として今回のダーバン合意を受け、正式なプレスリリースを発表しました。ご覧下さい。
-----------------------------------
2020年より早期の実行を!

2011年12月19日(東京)
11日未明(現地時間)まで、南アフリカのダーバンで開催されていた第17回気候変動枠組締約国会合と第7回京都議定書締約国会合(COP17・COP/MOP7)は、温室効果ガスの削減を法的に義務付ける唯一のメカニズムである京都議定書の延長と、途上国への財政的支援となる「グリーン気候基金」の設立、そして2015年までに包括的な気候変動問題への合意、2020年の発効を目指す「ダーバン・プラットフォーム」をまとめることで最終的な合意に至りました。
コンサベーション・インターナショナル(CI)は、今回の合意に関して、一歩前進はしたものの、合意の可能性のあった本来必要な行動に比べ、ほど遠いものである、と総括します。

CIのCOP17代表団長である、フレッド・ボルツ博士は言います。
「国際社会は、京都議定書の下で削減義務を継続する重要性を認めるとともに、全世界の国々の参加の下で気候変動の対策を講じ、途上国に資金支援することに合意しました。今回の会議では、これら3つの分野において進展がみられたことは成果ではありますが、現段階では全てがまだ青写真であり、実効性を伴っていません。将来的な資金や行動について、これから交渉を継続する、という合意に留まったのみといえます。」

京都議定書の第二約束期間から数カ国が離脱をした結果、京都議定書における削減義務は矮小化されました。グリーン気候基金を実行するための資金源も不明のままです。さらに、すべての国々が参加する新たな法的枠組みに合意したことは一つの前進と言えますが、2015年までに合意し、2020年に実施を延期するのでは遅すぎます。UNFCCCによって合意された時間軸に沿って、2020年の時点で必要な規模の気候変動緩和措置について準備を始めるようでは、今後気温上昇が2度以上を超える危機的な状況は避けられないでしょう。


REDD+の交渉に関する進展

今回の会議で、今後に向け最も期待できる合意のひとつは、REDD+ (Reducing Emissions from Deforestation and Degradation/森林の減少・劣化に由来する排出の削減)に係る合意です。REDD+は、途上国が森林を保全することにより、森林破壊から引き起こされる温室効果ガスの排出を減らす努力に対して支払いを実施するものです。

ボルツ博士は言います。「REDDプラスに市場および非市場に基づく資金源が提供されるという合意は、非常に肯定的なステップです。REDD+によって炭素排出量を削減することを実現するためには、まとまった規模での投資が必要です。REDD+は直ちに実行すべきであり、この十年間のうちに、森林破壊を止めるべきです。REDDプラスだけで年間の排出量を1/6まで減らすことが出来ます。そして気温上昇を2度以内に抑える可能性を高くすることができます。これだけでは十分ではありませんが、気候変動対策として、必要不可欠なのです。」

日本は2010年名古屋において、国連生物多様性条約第10回締約国会議(CBD-COP10)を開催し、「愛知ターゲット」の合意に貢献しました。REDD+により森林保全が推進されることで、生物多様性の保全が直接前進します。地球の恵みであり、我々の生活の根底を支える生物多様性を守るためにも、REDD+を戦略的に実施することは大変有効です。

次のステップ

ダーバンでの最終合意を真に意義あるものにするためには、真の意味での行動が求められています。各国のリーダーたちは気候変動問題を解決するために相応しい目標や規模感を持って、行動するべきです。京都議定書の第2約束期間の下での積極的な削減行動に加え、2009年のコペンハーゲン合意で誓約された途上国への気候変動緩和のための支援は確実に実施されるべきです。2015年までに、国際社会の行動規模を拡大し、危険なレベルでの気候変動を回避するために必要な追加的措置を講じ、気候変動に対して脆弱な国家やコミュニティに対し、適応能力を高めるための支援をするべきです。ダーバンでの合意は、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)が、世界中の行動を協議、計画する場であることは示しましたが、私たちが取るべき対策の規模やスピードを示すことでは不十分であることを明らかにしました。私たちに、残された時間は少ないのです。

今、われわれの子供の世代だけでなく、将来世代の未来で賞賛を得られるような価値のあるリーダーシップが求められています。そのためには厳正な削減目標に基づく企業の削減努力や、低炭素技術開発による気候変動緩和への貢献は必須です。そして、世界中の国々が参加する、より野心的な削減行動を迅速に行動に移すことが大切です。



###

お問合せ先:
一般社団法人 コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 磯部 麻子
電話:03-6911-6640 / email:a.isobe@conservation.org


コンサベーション・インターナショナル(CI)について
科学、パートナーシップ、そして世界各地での実践に基づき、次世代に豊かな自然を引き継ぐことのできる持続可能な社会の実現を目指して設立された国際環境NGO。生物多様性ホットスポットを中心に、世界30カ国以上で約900名のスタッフが保全活動を展開しています。理事に、俳優ハリソンフォード、インテル設立者ゴードン・ムーアなど。CIジャパンは、1990年より活動を開始し、2011年3月に一般社団法人コンサベーション・インターナショナル・ジャパンとして登記されました。 
公式HP:www.conservation.org (English) / www.conservation.or.jp (日本)

0 件のコメント:

コメントを投稿

ご感想やご意見をコメントしてください。