【COP17】 REDD+ハイレベルイベント:CI CEOが参加

COP第2週目での開催が恒例となった、REDD+のハイレベル・サイドイベントに参加してきました。国連事務総長の開会演説に続き、ヒラリー・クリントン国務長官、オバマ大統領からのビデオ・メッセージを挟みながら展開されたのは、REDD+を進めるために必要な、以下の3つのテーマに関するパネルディスカッションです。
1.政府の取り組み:ノルウェイ環境大臣、インドネシアで大統領直轄でREDD+政策をリードするクントロ氏、米国気候変動米気候変動担当特使代理ジョナサン・パーシング氏等が参加し、国家レベルでいかにREDD+の推進を建設的に進めていくべきかを議論しました。
2.企業、NGOとの連携:CI CEO兼会長であるピーター・セリグマンが登壇し、「持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)」や、企業として食糧危機への対策として持続可能な農業活動に取り組むYarra International等と議論しました。CIのセリグマンは、このセッションを、以下の3つの点で締めくくりました。
1)爆発的な人口と気候変動の脅威の中、傍観している時間は既にない
2) 森林には人間の生活に欠かせない役割を供給しているのだから、保全への価値が与えられるべきである
3)大企業から小規模農家まで含め、企業のトップの意志により、サプライチェーンシステムを改善しながら気候変動への対策を講ずる重要性。CIでは、このような取り組みをスターバックスコーヒー社と行っている。UNFCCCでは、GCFの設立に加え、小規模農家への対応もできるようなファンドの設置も必要ではないか。それにより、自然を守ることとカーボンの市場とのリンクが実証できるのではないか。



3.REDD+におけるジェンダー・イシューの重要性
  故ワンガリ・マータイ氏の娘であるワンジラ・マータイ氏のモデレーションにより、ジェーン・ゴダール氏など、途上国における自然保護と女性のエンパワメントに積極的に関わる女性たちが森林保全の重要性を訴えました。

自分の団体のCEOの発言も素晴らしくはありましたが、私が一番感銘を受けたのはジェーン・ゴダール博士の講演を直に聞けたことです。高齢でありながら、今でも世界各国を旅し続け、森林保全の重要性と生物多様性の保全の重要性を、学校からこのようなハイレベルな会合まで、多様なターゲットに講演し続ける彼女。今回の会合の締めくくりは、チンパンジーの研究に長年関わっている科学者として、チンパンジーが愛を示す際の儀式を会場で披露。それは、人間と変わらず、お互いハグしあい、背中をたたき合う、というもの。彼女の不思議なオーラに導かれ、会場中が立ちあがり、隣の人たちとハグして会議が終了しました。

ゴダール博士の書籍は、日本でも多く出版されており、その内容は森を守る事の重要性を、もはや科学者の域を超え、精神世界で説くところまで達しています。長年の現場での実践と、ノンストップの講演活動を続けてきた彼女の不思議なオーラに、会場全体が包まれました。

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