ドイツ、ボンで国連の気候変動会議が始まる:UNFCCC準備会合

  副代表のYです。ドイツのボンで6月3日より2週間開催される気候変動枠組み条約の準備会合に参加しています。今年で3回目となるこの時期のボン会合参加。着陸時、飛行機から下を眺めてびっくり仰天。ライン河が氾濫していて、車や住宅が水没しています。いつもの出張先である途上国にやってきたのかと思ってしまいました。EUの交渉官に聞いてみたところ、今年は異例の降雨量のため、各地で川が氾濫。更に、6月だというのにまだ肌寒い気温が続いています。毎年楽しみにしていたホテルの隣家の庭のバラも、まだ蕾のまま。ドイツ全体で、平均気温より2℃程寒いとのこと。ヨーロッパ全体で寒い日々が続いており、先日ロンドンを訪れた友人は、気温5℃でまいった、と言っていました。異常気象は、様々な形で地球上に現れ始めているような気がします。

 さて、今回の会議では、主に以下の2つのテーマを追っていきます。

1) 今年11月末よりポーランドのワルシャワで開催されるCOP19までに、ダーバンプラットフォーム(ADP)においてどの程度各国が歩みより、進捗を見せられるか 
2) 途上国における森林減少と劣化に由来する排出の削減(REDD+)の技術的交渉が、どのような展開を見せるか
 その他、CIが主催・協力するサイドイドイベントも盛り沢山です!

 通常、会議の1日目はアジェンダの採択で終わるのですが、到着したところ、SBSTAでは月曜日早々にREDD+のセッションが開かれていました。これはやや驚きの展開です。REDD+は、昨年のCOP18以前は、数多くあるアジェンダの中でも最も途上国が積極的に興味を示す議題で、交渉も比較的前進を続けていました。ところが、昨年のCOP18では資金問題が全てのアジェンダに影響を与える形となり、REDD+もそのあおりをまともに受けました。技術的な課題を交渉するSBSTAでも資金問題の文言が入り、アジェンダを一つも採択する事ができなかったのです。

 このため、今回はSBSTAだけでも、7つのアジェンダが山積。一方、今回ボンに到着してみたところ、どうもREDD+の交渉を一つのモデルとして動かし、COP19に何かしらの前進の兆しを見せよう、という気運が各国の交渉官の中に見られる(?)ようです。昨年COP18では余りにも多くの無駄な時間が費やされてしまいました。楽観的になるのはまだ早いかもしれませんが、ひとまず順調な滑り出しを見せているようです。

4日火曜日には、ADPの第一回目の会合が開かれました。開催一回目と言う事で、各国が今までの主張を繰り返す、まるでデジャブを見ているかのような会議で終わりました。ADPの本当の進捗は、今回数回予定されているラウンドテーブルやワークショップ等、各国がお互いのポジションを具体的に学びながら歩み寄って行くというプロセスが必要でしょう。特に、ワークストリーム1の、2015年合意に関する交渉については、COP19前の最後の会合となる今回の会議である程度の成果を出しておく事が必須です。


      【本日開会したダーバンプラットフォーム会合】

 これから、ボンで2週間、世界194カ国からの代表団が、地球の存続をかけ気候変動問題を語る眠れぬ夜が始まります。既に多くの会議がクローズドで進んでおり、内容をお伝えする事が難しいのですが、日本では報道されない現地の様子をお伝えしていきますので、どうぞおつきあい下さい。

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