アフリカ低炭素成長・持続可能な成長に係る意見交換会

7月6日(水)、日本政府とNGOとの間で開催された、表記意見交換会に出席してきました。皆さん御存知の通り、今年のUNFCCC COP17は南アフリカのダーバンで開催されます。議長国アフリカの采配が注目される中、日本としてもアフリカでの低炭素で持続可能な成長に貢献するための支援の在り方、論点強化は、大変重要です。NGOからは、気候変動で活動するNGO2団体(含む私)と、開発系NGO4団体が参加。政府からは、外務、環境、経産省のご担当者が参加。私からは、以下を提言させて頂きました。

・過去、アフリカは既存のインフラ整備基盤を前提とするCDMの恩恵を全く受けてこなかった。

・開発が他の大陸より顕著に遅れるアフリカ大陸でのCOP17開催にあたり、鍵となるのは適応とREDD+への戦略的支援。

・アフリカ諸国での支援については、常に問題が国境を超える(Trans-boundary)ことを意識することが特に重要。適応策にしても、一つの国で良いと思われる二国間支援が、思わぬ形で他国の水資源問題等の環境問題に波及し、紛争の原因となる可能性がある。二国間支援も必要だが、ある程度、地域レベルでの対策が重要。適応策に関しては、UNFCCCおよびCBDで話題となっている、生態系機能を利用した適応策(Ecosystem Based Adaptation, 以下EbA)に地域レベルで取り組むことで、時間はかかるが、長期的には現地の人々の生活と未来を守って行くとなる。CIでは、ボツワナ、リベリア、マダガスカル等のアフリカ諸国において、EbAに関する科学的調査を実施しており、今後の政策立案へのインプットを目指している。

・REDD+に関して、コンゴ盆地等におけるREDD+への支援は、地球に残された数少ない原生林地域を守るために重要。その他、リベリアなどの小国だが豊かな森林を有する国も、復興支援における低炭素開発戦略に、REDD+を取り入れている。

・政府の能力開発が遅れる中、教育支援、特に大学との連携が重要。日本政府からのハードの支援があった場合、フォローするような形で、大学を起点に日本の支援を現地側で使いこなしていけるような人材育成支援が必要。CIはNGOとして、コンゴ民主共和国で現地の大学との連携によりREDD+プロジェクトを開発している。大学で育成されたリーダーたちが、各村にトレーナーとして戻り、さらにリーダーを育てていくという試み。ボトムアップ型のアプローチで、政府の能力開発支援へも貢献している。



アフリカでのCOP17の結果は、10月初旬にパナマで開催される次回UNFCCC会合でおおよそ検討がつくでしょう。パナマでは、アジェンダは協議せず即交渉に入るとともに、ボンでリクエストされた多岐分野にわたるワークショップが開催される予定です。



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