2005年12月6日火曜日

2週目突入!! 1週間を振り返る

モントリオールに来て1週間が経ちました。昨日(日曜)は、さすがのCOPもお休みで、やったことと言えばちょっと近くの別会場でやっていた気候変動への適応策に関するサイドイベントに出たくらい。実はその後会議場に入ろうとしたんですが、各国の政府関係者でない人は入れないようで、雪のちらつく中をてくてく歩いてホテルまで歩いて帰りました。でも、おかげでゆっくり休養できました。

さて、1週間経ったということで今までを少し振り返ってみたいと思います。まずはLULUCF(土地利用、土地利用変化及び林業)について。このCOP11に来てLULUCF関連のサイドイベントに参加すると必ずと言って良いほど引き合いに出されるのが、全世界の温室効果ガス排出量の約25%が熱帯林の森林破壊によるという事実です。この数値は地球温暖化への熱帯林破壊の影響を如実に物語っていますが、熱帯林の多くは発展途上国に存在し、また今のところ京都メカニズムの中では森林保護を目的とした事業がCDMとして認可されないので、京都議定書に含めることができません。

このCOP便りでもお伝えしているCOP11議案6項は、森林を破壊から守るという「Avoided Deforestation」の考え方を導入して、京都メカニズムに組み込もうという動きです。このテーマに関するサイドイベントを通して森林破壊をしないことによって放出を免れる二酸化炭素も含めるべきであるという主張が繰り返されています。

共同提案者のパプアニューギニアやコスタリカは森林を破壊しながらもその多くを今日まで残してきた国です。一方、京都メカニズムに組み込まれている新規・再植林事業のうち特に再植林事業は、言うなれば過去に人為的に伐採した森林を回復するという行為です。一度破壊してしまった森林を回復するのには見返りがあるのに、今まで保持してきた森林を引き続き保護していくことには何の見返りもない。この議案に対しては色々な見方をすることができると思いますが、この不平等さの改善は議論されてしかるべきではないでしょうか。

一方で今回の様々なセッションやサイドイベントから明らかなのは、現存する森林の保護によって放出を免れた炭素をクレジット化するためには(=「Avoided Deforestation」の成果の炭素換算)、まだまだ多くの課題が残されているということです。まず、森林保護によって固定され続けた炭素量を正確に把握することは非常に困難です。炭素の貯蓄量の推定は主にリモートセンシングの技術を利用した衛星画像によって推定されます。例えば、EUの政府代表団にも入っている研究者達は簡便な方法によりかなりの割合の森林面積の変化を追跡することができると発表し、新たなメカニズムの発展形態を提案しています。一方で、アマゾン環境研究機関主催の「熱帯林破壊の減少と気候変動対策」というサイドイベントでは、リモートセンシングによる発展途上国での森林破壊のモニタリングの可能性について、人工衛星の利用可能性と解像度の技術的側面からその技術の信頼性について説明があった一方、衛星画像から実際の森林に蓄積される炭素量をはじき出す際の精度などについての問題点について活発な議論が交わされました。また、このリモートセンシングの問題は、熱帯林の多く残っている発展途上国がGHGのインベントリ(排出量の把握)を自ら運用していく能力を養うキャパシティ・ビルディングの必要性という課題も残されています。
こうした技術の精度の問題は確かに解決されなければなりませんが、技術の問題を交渉停滞の理由とすべきではないと思います。

今年は、気候変動枠組条約で定められた第2約束期間の温暖化対策の進め方を議論し始めなければならない最後の年でもあり、CDMを始めとする京都メカニズムを改善し、この「Avoided Deforestation」について議論をする絶好の機会です。上記のような技術的課題と政治的交渉の問題を克服し、「Avoided Deforestation」による炭素の固定分をクレジット化できる第1歩が、そしてその一歩によって生物多様性などの森林の本来の環境価値が市場に内部化されるきっかけがこのモントリオールでもたらされることを期待します。

さっきこの議案に関する第2回のコンタクトグループを傍聴してきたところですので、追ってここでご報告したいと思います。

☆寒がりの僕としては・・・。
先週後半は寒かったです。金曜日の夜の10時半頃COPの会議場を後にすると外は雪が降っていて、しかも気温が低いからか地面は半分凍ってしまっているし・・・。翌日もまた一段と寒い!帽子がないと耳があっという間に痛くなりました。週末も気温が低くてしょっちゅう雪が降ってました。寒がりの僕にとってはテンション下がること極まりない。なのに、Yasuさんときたら、この寒さにご満悦です。なんてこった・・・。ある意味、羨ましいです。僕は寒くて思考が止まりますが、彼はしゃきっとするみたいです・・・。これも、いわば多様性か・・・。でも、今日はちょっとあったかいのでよかった!

(by Yoshi)

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