King Cong II
今朝は、スーツをクリーニングに出そうと思い、ホテルの兄ちゃんに教えてもらってクリーニング屋へ向かいました(安宿なので、クリーニングサービスがないのです)。ところが途中で迷ってしまったんで、中国人のデリのおやじ(NYのデリ経営者は韓国人が多いんですけどね)に聞いて、中国語訛りのフランス語と英語のちゃんぽんを頼りにようやく見つけて出してきました。ふぅ
そんなことで時間をロスしつつも、今朝は特に注目すべき会議は予定されてなかったはずだし、と思いながら国際会議場についてみると、なんと一番大事な3.9条(将来コミットメント)のコンタクトグループ(CG)が急遽開かれてるではないか!あわてて会議室に向かったけど、この議題は相変わらずの満室で、部屋に入れたもののプロジェクタースクリーンの裏から議論を聞くはめに。。。
CGでは、木曜晩に開かれた第1回目のCGを受けて、EU、G77&中国、日本の3者からそれぞれ「正式に」提出された「’たたき’(=Conference Room Paper: CRP.1~3)」と、それを議長・事務局がコンパイルした「決議素案」が、議長から提示されていました。CRPの内容は、各案とも「2013年以降の付属書I国の削減コミットメントの検討を開始すべき」という点では同じであるものの、そのニュアンスを含めていろいろ違いがあって、まだまだ合意は遠そうです。文書の提示後、議長が16時半からの第3回協議を非公式(=非公開、つまりNGOはオブザーブできない)とした上で、口の字形(今は教室形式)の会議室でより活発な議論をしたい旨を提案しましたが、ちゃんと発言機会が確保されるのかという点に多くの国(特に国数の多いG77)が懸念を表明し、しばらく堂々巡りになりました(また!)。最後には、各国とも了承したので、次は「behind closed doors」の交渉となります。
G77案は、一言で言えば、「気候変動の責任は先進国にあるから、第2約束期間以降も先進国が削減の責任を持て」というもの。一方、日本案は、「途上国の排出が増えてきているから、条約を改正して(現状では非付属書I国は、削減義務を負わないと明記されている)‘全ての締約国’が削減に取り組もう」という内容。EU案は、「付属書I国の将来コミットメントの検討を明確にした上で、幅広い議論を」呼びかけるものとなっているが、途上国のこれまでの削減努力を認める形で途上国が削減コミットメントを負うことをほのめかしています。おもしろいのは、G77は「先進国」の排出量が減ってないといい、EUは「付属書I国」の排出量が減ったといっている点。これは、微妙に「先進国」と「付属書I国」に含まれる国が違うからです(付属書I国には東欧・旧ソ連などの経済移行国が含まれており、これらの国は90年代の経済停滞により自然に排出量が大幅に減っている(これを「ホットエアー」と呼んでいます))。この点、日本案の「付属書I国からの排出シェアは決して多くない(=’do not represent a substantial share’)」は、(相変わらず?)あいまいな印象を与えますね。
決議案は、事務局の方も短い時間で作業しているためにミスもあり、クリーン開発メカニズム(CDM)がClean Defense Mechanism(!)と表記されたりしてて、「地球にやさしい防衛システムかいな?!」とみんな苦笑いです。解散後に議長のDavidとちょこっと話をしたら、「今夜は徹夜かもしれない。会期中に合意までこぎつけるまでは前途多難。」と言ってはりました。この議題は、「将来に向けた実質的協議を始めよう!」という内容のはずなのに、すんなりとは行きませんね。
【CRP.1: EU案の主な点】
・付属書I国の排出量は90年比で5.9%減った
・さらなる削減努力が必要であり、先進国がリードすべき
・クリーン開発メカニズム(CDM)などを通じて、既に途上国も削減に向けた努力をしている
→ 早急な「地球規模」での取り組み(global response)が必要
→ 付属書I国の将来コミットメントの検討を開始すべき
→ 第24回補助機関(SBSTAおよびSBI)会合(2006年5月)までに、本議案の内容に関する締約国からの意見表明を求める
【CRP.2: G77&中国案の主な点】
・気候変動問題を引き起こした先進国の歴史的責任を認識
・途上国の一人当たり排出量は依然として低水準にあり、今後は開発(=経済成長)が進むに伴って全排出量における途上国の占めるシェアは伸びる
・「先進国」の排出量は90年比で依然削減されていない
→ 速やかに協議を開始して、付属書I国の将来コミットメントについて、COP/MOP4(2008年)までに結論を得る
→ 引き続き非付属書I国(=途上国)は、一切の削減コミットメントを課されない
【CRP.3: 日本案の主な点】
・付属書I国が排出削減に向けて可能な限りの努力をしている
・付属書I国からの排出量が閉めるシェアは、決して多くない
・非付属書I国からの排出量が急速に増加している
→ 付属書I国の将来コミットメントの‘協議の開始’に加えて「全ての締約国が参加するような枠組みを可能とするような(9条に基づく)条約改正」に向けた協議の開始を「呼びかける」
【写真は、満杯のCG会議室】
(By Yasu)
そんなことで時間をロスしつつも、今朝は特に注目すべき会議は予定されてなかったはずだし、と思いながら国際会議場についてみると、なんと一番大事な3.9条(将来コミットメント)のコンタクトグループ(CG)が急遽開かれてるではないか!あわてて会議室に向かったけど、この議題は相変わらずの満室で、部屋に入れたもののプロジェクタースクリーンの裏から議論を聞くはめに。。。
CGでは、木曜晩に開かれた第1回目のCGを受けて、EU、G77&中国、日本の3者からそれぞれ「正式に」提出された「’たたき’(=Conference Room Paper: CRP.1~3)」と、それを議長・事務局がコンパイルした「決議素案」が、議長から提示されていました。CRPの内容は、各案とも「2013年以降の付属書I国の削減コミットメントの検討を開始すべき」という点では同じであるものの、そのニュアンスを含めていろいろ違いがあって、まだまだ合意は遠そうです。文書の提示後、議長が16時半からの第3回協議を非公式(=非公開、つまりNGOはオブザーブできない)とした上で、口の字形(今は教室形式)の会議室でより活発な議論をしたい旨を提案しましたが、ちゃんと発言機会が確保されるのかという点に多くの国(特に国数の多いG77)が懸念を表明し、しばらく堂々巡りになりました(また!)。最後には、各国とも了承したので、次は「behind closed doors」の交渉となります。
G77案は、一言で言えば、「気候変動の責任は先進国にあるから、第2約束期間以降も先進国が削減の責任を持て」というもの。一方、日本案は、「途上国の排出が増えてきているから、条約を改正して(現状では非付属書I国は、削減義務を負わないと明記されている)‘全ての締約国’が削減に取り組もう」という内容。EU案は、「付属書I国の将来コミットメントの検討を明確にした上で、幅広い議論を」呼びかけるものとなっているが、途上国のこれまでの削減努力を認める形で途上国が削減コミットメントを負うことをほのめかしています。おもしろいのは、G77は「先進国」の排出量が減ってないといい、EUは「付属書I国」の排出量が減ったといっている点。これは、微妙に「先進国」と「付属書I国」に含まれる国が違うからです(付属書I国には東欧・旧ソ連などの経済移行国が含まれており、これらの国は90年代の経済停滞により自然に排出量が大幅に減っている(これを「ホットエアー」と呼んでいます))。この点、日本案の「付属書I国からの排出シェアは決して多くない(=’do not represent a substantial share’)」は、(相変わらず?)あいまいな印象を与えますね。
決議案は、事務局の方も短い時間で作業しているためにミスもあり、クリーン開発メカニズム(CDM)がClean Defense Mechanism(!)と表記されたりしてて、「地球にやさしい防衛システムかいな?!」とみんな苦笑いです。解散後に議長のDavidとちょこっと話をしたら、「今夜は徹夜かもしれない。会期中に合意までこぎつけるまでは前途多難。」と言ってはりました。この議題は、「将来に向けた実質的協議を始めよう!」という内容のはずなのに、すんなりとは行きませんね。
【CRP.1: EU案の主な点】
・付属書I国の排出量は90年比で5.9%減った
・さらなる削減努力が必要であり、先進国がリードすべき
・クリーン開発メカニズム(CDM)などを通じて、既に途上国も削減に向けた努力をしている
→ 早急な「地球規模」での取り組み(global response)が必要
→ 付属書I国の将来コミットメントの検討を開始すべき
→ 第24回補助機関(SBSTAおよびSBI)会合(2006年5月)までに、本議案の内容に関する締約国からの意見表明を求める
【CRP.2: G77&中国案の主な点】
・気候変動問題を引き起こした先進国の歴史的責任を認識
・途上国の一人当たり排出量は依然として低水準にあり、今後は開発(=経済成長)が進むに伴って全排出量における途上国の占めるシェアは伸びる
・「先進国」の排出量は90年比で依然削減されていない
→ 速やかに協議を開始して、付属書I国の将来コミットメントについて、COP/MOP4(2008年)までに結論を得る
→ 引き続き非付属書I国(=途上国)は、一切の削減コミットメントを課されない
【CRP.3: 日本案の主な点】
・付属書I国が排出削減に向けて可能な限りの努力をしている
・付属書I国からの排出量が閉めるシェアは、決して多くない
・非付属書I国からの排出量が急速に増加している
→ 付属書I国の将来コミットメントの‘協議の開始’に加えて「全ての締約国が参加するような枠組みを可能とするような(9条に基づく)条約改正」に向けた協議の開始を「呼びかける」
【写真は、満杯のCG会議室】
(By Yasu)
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