現役大学生が聞く“CIジャパンスタッフの「世界を舞台に働く」とは” 第5回目 高松美穂 Vol.3

こんにちは。CIJインターン生の小宮です。 

Vol.1,2に続き高松美穂さんへのインタビューをお届けします。 

Vol.2では、高松さんのソロモン諸島での気づきや、CIJに加わったきっかけについて伺いましたが、今回はCIJでの実際の業務や将来の展望について、お話を伺いま

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日本における企業・個人の支援者の輪を広げることをミッションに活動


小宮: 現在、CIJではどういった業務をされていますか? 

 

高松:  一言でいえば企業や個人の皆さまから寄付や支援を募るファンドレイジングを担当しています。CI様々なパートナーシップを通じて自然保護に取り組むことを活動の軸の一つとしていて、これまでに世界中で2,000以上のパートナーシップに取り組んできました。そうしたパートナーシップを日本の企業にも広めるだけでなく、自然保護に一緒に取り組みたいと考えている方や、環境問題への意識が高い個人の皆さんの支援の輪を広げていくことがミッションです。  

 

小宮: CIJで業務をする中で印象的だったことはありますか? 

 

高松:  CIジャパンはCIグローバルネットワークの一つで、海外オフィスやフィールドで活動する同僚と相談しながら仕事を進める機会が多くあります。CIJ自体は現在8名の小さなチームですが、その中だけで完結することのほうが少なく、専門家や科学者をはじめ、あらゆる知識やバックグラウンドを持つ人たちに相談して、様々な角度の意見を取り入れながら進めることができるのは、国際NGOCIならではかと思います。 

 

小宮: 現在、進行中のプロジェクトはありますか? 

 

高松:パートナーシップ構築へ向けていくつかお話している企業があります。企業はSDGsやESGへの意識や関心が高まったことはもちろん、昨年のCOP26や「脱炭素」の動きなどの影響を受けて、自然保護への関心高まっているのを肌で感じています。最近は生物多様性への関心も高まっている中で、「CIと何かしたい!」という問い合わせ増えてきているのはうれしいことです。また、 個人の皆さんにCIの活動を知ってもらい、支援者を増やすためデジタルキャンペーンなども将来的にはぜひやってみたいと考えています。



~「自然環境を守ることは未来への投資」~ 


小宮: CIのようなNGOにとって、資金調達は必要不可欠なのでしょうか? 

 

高松: はい、資金調達はこうした活動を行うNGOや非営利団体にとって必要不可欠だと考えています。NGOの多くは社会を変えようと高い目標を掲げて活動していて、そこに共感や協力があって達成を目指すことができます。CIの場合は、「ヒューマンウェルビーイングのために、自然保護を通じて持続可能な社会を目指す」というミッションのもとに活動を行っていますが、ミッションを達成するためにはやはり資金調達が不可欠です。ただ、「資金調達」と一言でいっても、その根底にあるのは「仲間を増やす」ということです。同じ志しを持つ仲間を増やして、NGO、一企業、一個人だけではできないことに共に取り組み、インパクトを最大化、最適化していく。そのために活動を支える資金が必要で、CIの活動も企業や個人の皆さまからのご寄付やご支援によって成り立っています。


これは私個人の考えですが、自然や地球環境を守ることへの寄付や支援というのは、ある意味、未来への投資だと思っていますもちろん物を買うのとは違うので、対価として手にできるものはないと感じるかもしれないけれど、30年後、50年後も気候変動の影響をそこまで受けずに暮らし続けていくことができるための投資は、今しかできないと思っています。私たち一人一人が「今できることは何だろう」と考えて、できることから行動することが大切で、その積み重ねが未来を変えることに繋がると思います。ファンドレイジングは、そうやって意識を変えていった結果に結びつくものなのかなとも思っています。 

 

小宮: CIの良さはどこにありますか?

 

高松:働く環境としての良さということであれば、 CIには自然保護の第一線で活躍する科学者がたくさんいて、彼らが感じていることや考えを聞くことができるのはとても興味深いですあとは、国や地域に関係なく、みんなCI愛が強い!(笑)それに、役職や立場に関係なく意見を言い合えるところは、風通しの良さを感じます。CIジャパンを見ても、日比さんや浦口さんのような自然保護の分野でのプロフェッショナルが身近にいることはとても心強く感じていますし、日々学ばせていただくことが本当に多いです。 

 

小宮: お仕事しながら、日々勉強するということですか? 

 

高松: はい、まさにその通りです。私はもともと環境分野がバックグラウンドではないので、知らないことが多く、日々学び続けています。この分野は、地球の変化に伴って新しい概念やトピックが次から次に出てくるので、正直追いついていくのに精一杯です)。もう一つ難しいと思うのは、多くの情報が英語発信なので、それを日本の皆さんにわかりやすく伝えるのには苦戦しています。 

 

 

~「社会や環境との繋がりを感じる仕事が心地いい」~ 

 

小宮: 高松さんが直近のキャリアで、非営利を選ばれているのは理由があるですか? 

 

高松正直に言ってしまうと、私は営利活動に興味がなくて。利益のために事業を大きくしていったり、企業としてさらに成長することを目指して働くことも大切なことだと理解しているのですが、私自身がそこにコミットできる気がしないんです。ただ、働く上では、企業もNGOも変わらないと思っています。何を目的にしていて、何にコミットできるかというだけかなと。私は両方経験していますが、社会に貢献したい気持ちや自然保護への関心が強かったし、そうした活動に直接関わることができる仕事の方が、ライフワークとして心地いい気がしています。

 

小宮: これからの展望はありますか? 

 

高松:  CIは、海外では環境NGOとしての知名度や活動への評価が高いのですが、日本国内での認知や評価にはまだまだ可能性があると思っています。企業の方やコーヒー分野など、CIがこれまで力を入れてきた関連業界の方には広く知っていただいているのですが、もっと幅広い方にもCI活動や考え方を知ってもらえるような仕掛けをしていきたいと考えています。そうした活動が将来、おのずとファンドレイジングにつながることを信じています。 

 

小宮: 高松さん、本日は貴重なお話ありがとうございました。



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3回にわたって、お届けした高松美穂さんへのインタビュー、いかがでしたか? 

 

お話を伺い、自分の軸をしっかりと持ってキャリアを選び取っていく非常に行動的な印象を受けました。また、未来の私たちや、未来の世代が気候変動の影響をなるべく受けないよう環境への投資は今しかできないということは、おっしゃる通りだと思います 

 

今後、よりCIJの活動の幅が広がるよう多くの方にCIJを知っていただきたいとあらためて思いました高松さんありがとうございました!

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