世界に先駆けたコスタリカの取り組み


2021年12月17日、コスタリカは海洋保護区を領海の2.7%から30%以上に拡大すると発表しました。この大きな躍進は2030年までに世界の陸と海の3分の1近くを保護するという世界的な目標期限から9年も早まるものです。 

太平洋岸に位置するココ島国立公園とその周辺の海洋保護区(MPA)は、面積が5万平方キロメートル以上になります。新たな対象地域は、それまでの面積の26倍という驚異的な規模に拡大されます。そして、側に位置するバイセンテニアル海洋管理区域、これまでの面積の11倍に拡大し、現在はアイスランドとほぼ同等の10平方キロメートルを超える範囲になります。 

コンサベーション・インターナショナルは、コスタリカ政府、現地のパートナーやコミュニティと緊密に連携して環境調査、協議プロセス、技術的および政策的支援によりこの宣言実現貢献しました。 

MAP OF COSTA RICA


「生物多様性の危機を回避するために自然を守ることが重要な過去4年間に亘る私たちの協力関係が、国を超えて生活と自然に恩恵をもたらすMPA拡大につながっていることを嬉しく思います」とコンサベーション・インターナショナルのコスタリカ事務所エグゼクティブ・ディレクターのアナ・グロリア・グスマンは話します 

「この拡大による環境への効果は絶大です」と彼女は続けます。「近くのバイセンテニアル海洋管理区域の範囲を拡大することは、多くの絶滅の危機に瀕している、回遊性海洋生物の安全な回遊ルートを確保することになります

バイセンテニアル海洋管理区域は、持続可能な生産と保護のバランスを取りながら、地域経済を支るために規制されていた商業漁業が一部許可されます一方で、「ノーテイクゾーン」は、地球上で最も多くのサメ生息する海底山脈地帯での人間活動が厳しく制限されます 

これらの保護域の拡大は、2030年までに世界の海洋の30%を保護するという世界的な目標に大きく貢献します。この目標気候変動の影響を抑え、海洋生物の広範な絶滅を防ぐために必要であると、科学者たちは述べています。 

「コスタリカは他国が見習うべき模範を示すことで、最善を尽くしてきました。海洋保護の取り組みはすべてユニークですが、政府機関、地元の漁業関係者、第三者であるNGO協力する取り組みは、他のMPAを保護し、国際社会を『30x30目標の達成に近づけためのモデルになりえます」とグスマン氏は述べています。 

ココ島国立公園の拡大は、コスタリカとパナマ、エクアドル、コロンビアの3カ国の保護区域を結び、ウミガメやクジラなどの海洋生物のための「安全な回遊路」を形成する、より大きな東部熱帯太平洋海洋回廊の一部となるものです。  

「コスタリカは長い間、自然保護のリーダーであそれは今日も続遺産です」グスマンは言います 
「生物多様性を支援し、これらの種を保護するための努力ここで止めるわけにはいきませんが、ココの拡大はその基盤となる強力な土台です。」 


カバー写真©Conservation International/photo by Sterling Zumbrunn

記事翻訳:CIジャパンインターン 小宮陽菜 

 

この記事はコンサベーション・インターナショナル本部ブログ“In historic move, Costa Rica makes big splash for conservation" を日本向けに和訳・編集したものです。 

 




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