【COP14】REDDについて①

昨日のセッションについてレポートします。
SBSTAでREDDについて議論されました。まだ具体的な交渉ではなく、報告に対して各国がコメントをするというものなので、比較的穏やかです。

このセッションでは、東京で開かれたREDDに関する技術面のワークショップの報告があり、それについて締約国からステートメントが出されました。ワークショップの成果は高く評価されていました。ワークショップの結果、REDDを実施するのに必要なテクノロジーはそろっているという点で認識には違いは見られませんでした。ただし、能力構築をどう進めて必要な技術が必要なところにあるようにするかという課題はもちろん残っています。

技術面とは別に、政策や制度面での詰めがまだできていないことも指摘されていました。まず、REDDの実施を国単位(national)でするのか、国をさらに分けた単位(sub-national)でするのか。次に、REDDの効果を評価する基準になる排出量(reference emission scenario)をどう設定するか。これらは、「科学」の世界ではないので、これから熱い議論が交わされるものと思います。大事なことは、世界規模の排出を増やさないようにする仕組みを作り上げるという究極の目標を忘れないことでしょう。REDDでは、排出削減だけでなく、生物多様性や生態系サービスの保全という便益にも目を向ける必要があります。

科学ではない世界で、さらに難しい問題があります。
先住民族や地元住民の権利の問題、先進国の排出削減約束に関連された議論、などがあります。いろいろな場で声が上がっていますが、それは、次の回にレポートします。

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