南米ペルーのアルトマヨ森林保護区を訪問して:その1

Yasuです。

2ヶ月ほど前になりますが、初めてペルーへ行きました。人はホスピタリティーに溢れ、食べ物はとびっきり美味しく(美食大国といってもええんちゃう?!)、そしてもちろんマチュピチュをはじめとする、インカ帝国やインカ以前の遺跡、スペイン征服・統治時代の街並など、ほんと見所も多くて、素晴らしい出張(はい、仕事です!)となりました。

今回の出張は、首都Limaで、CIの中南米各国事務所が一同に会し、グリーンエコノミーの構築を目指す上での来年度(CIの事業年度は、7月始まりです)の事業計画を作りあげることで、ブラジルやペルーなど日本とゆかりの深い国も多い地域ということで、僕もはるばる日本から参加したわけです。CIのフィールド・プログラム(現地で事業展開を担う各国現地事務所)の中でも、歴史があり、能力的にも非常に高いチームが揃っているアメリカズ・リージョン(CIでは中南米をこう読んでいます)ということもあり、非常に建設的で効率的なディスカッションとなりました。来年度は、現場での取り組み(特に気候変動/REDD+、生態系への直接的支払い(PES: payment for ecosystem servicesの取り組みなど)を、いかに国および国際的な政策レベルでのインパクトに高めていくかということに力を集中することになります。

ちなみに、マチュピチュやクスコは、今回の出張と直接は関係なかったのですが、われわれが仕事をする国や地域の歴史や文化を理解することも重要、そしてせっかく遥々ペルーまで来たのに人類の遺産(というか世界遺産)を見ないのはいかがなものかということで、他のスタッフ数名と自腹を切って行って来た次第です。

クスコは、マチュピチュ観光の基点となる街ですが、インカ帝国の都が置かれていたところで、インカ時代の石垣や石壁の上に建てられたスペイン統治時代の街並が澄んだ青い空に映える、とにかく美しい街でした。また、郊外には巨大な石造りの遺跡なども残っており、インカ人の偉大さを身近に感じることが出来るところです。

↓インカ時代の石組みの上に建てられたスペイン統治時代のクスコの街並


マチュピチュは、言うまでもなく、空中都市の異名を取るインカ時代の宗教目的のために建設された都市です。空中都市のイメージから、非常に高い標高にあるのかと思っていたら(といっても、2400m以上あって、十分高いですが)、3500m前後のクスコからは、下って行くことになります(クスコでは、見事に高山病にかかり、ぐったりしてました。)なぜ、そこに作られたかというと、宗教的な意味合いが強いのもちろんなのですが、山々に囲まれ、ちょうど地下水脈が集中するところという実質的な意味合いもあったようです。急峻な山のてっぺんにあるにも関わらず灌漑施設が整備された棚田景観は、ただただ息を飲む光景です。
↓マチュピチュの棚田。圧巻!


因みに、インカでは、水に非常に神的意味を見いだしていて、先のクスコ郊外の遺跡なんかにも「水の神殿」跡があり、今も絶えることなく常時水が水路を流れています。インカ人の自然の摂理を理解する能力とそれを建造物に取り入れる発想と技術力にただただ敬服するのみですね。

↓下は、クスコ郊外のインカ遺跡(遺跡の名前はややこしくって忘れてしまいました)の水の神殿跡と、誇りを持って先祖の文明について開設してくれているガイド氏)↓




このような、自然の価値を深く理解した文明が、あっさりと外からの侵入者によって滅亡させられたことは、人間の愚かさを思わずにはおれませんでした。ただ、救いは、現地の人たちが、インカの文明・文化を今も誇りに思って今日を生きていることを強く感じることが出来たことですね。

P.S. ↓下は、高山病に苦しみ、ホテルで酸素吸入をしているところ。かなり辛かったです。行かれる人は、クスコ到着後急な活動を避けたり、高山病予防/緩和効果のあるマテ茶を多く摂ったりして対策することをおすすめします!



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