CBD SBSTTA16 報告② 5月5日(土)


CBD SBSTTA16最終全体会合

モントリオールで開催されている生物多様性条約のSBSTTAに参加している生態系政策マネージャーのNです。前回の投稿で最初の報告を載せました。逐次追加の報告をしていこうと思っていましたが、今日、最終日です。昨晩までの議論で、SBSTTAからCOPへ送られる文書は(ほぼ)合意されています。全体会合で最後の議論がされているのを聞きながら、今週のREDD+に関する交渉について報告します。

FoCは火曜日夜に1回、水曜日昼と夜の2回、木曜日の昼に1回、計4回開かれました。議論が収束しない点について、さらに小さなグループで机を囲んで、プロジェクターで投影しながら文書が作成されました(ドラフティング・グループ)。その結果、CRPConference Room Paper)が木曜日の夕方にでき、作業グループで議論されました。内容が後ろ向きだったらNGOとして共同で発言しようと、こちらに来ているバードライフインターナショナルとWWFの政策担当の人たちと文案をつくり作業グループに臨みました。

ドラフティング・グループでかなり議論と妥協が尽くされた様子で、作業グループでは昨日までの対立主張が投げ交わされる状況から一転、非常に建設的な議論がなされました。どうしても解決しないと分かっている内容についてはもう議論されませんでしたが、妥協や解決できる点については合意ができ、悪くない文書だと思います。用意していた共同発言(joint intervention)は行いませんでした。10月のCOPまでに大切な宿題が含まれています(下記)←これがあるから悪くないと思っています。

①で報告しましたが、既存のセーフガード・イニシアティブについて個別に言及することは削除されましたが、既存のイニシアティブに留意することと書くことで、間接的ではありますが趣旨は残されました。また、これらのイニシアティブを進める組織や用意のある国に対し、途上国が生物多様性に関する懸念事項や多面的便益を実現する支援を促す文章も残されました。

REDD+を進めて森林から別の生態系に影響が出ることを防ぐために、包括的な土地利用計画をするという点について、国際的なスタンダードで選ばれた重要地域(KBAなど)の保全を優先することを考慮すべき、という点を主張してきましたが、全く反対意見が無く、最終文書に盛り込まれました。

COP11までの宿題】
セーフガードに関する具体的な内容(セクションII)や、REDD+の効果のモニタイリングや評価に関する指標に関する内容(セクションIII)については、現段階の文書でOKということにはなりませんでした。セクションIIについては10月のCOP11までに改良することが合意されました。これはすごく重要な作業だと思います。CIとしても積極的に関わっていきたいと思います。セクションIIIについては、COP12までにまとめるという案と、COP13までにという案があり、COP11でどちらかに決められることになっています。COP13とは2016年、それでは遅すぎるでしょう。UNFCCCでの議論が熟すのを待つ、UNFCCCの議論に干渉すべきでない、というのがCOP13までということを推す理由だというのですが、生物多様性に関する内容については、UNFCCCの議論に対してCBDから助言することに何ら問題が無いはず。むしろ、CBDの目的を達成するためには、必ず必要なことと考えます。これも、COP11までに指標につて検討を進めておくことが早めの時間枠が採択される上で重要なのだろうと思います(不完全な助言はかえって害になりますので)。

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